薩摩川内市のうるめ丸干
無性に食べたくなるうるめ干
ときどき無性に食べたくなるもののひとつだ。うれしいことに関東のスーパーでは定番的な商品で、例えばマイワシの丸干し以上にウルメイワシの丸干しを見かける機会が多かったりする。
ウルメイワシの丸干しは、新宿のデパートなどでは上乾品なのに1尾50g近くあって400円前後するものもあれば、通常の干しのあまいタイプで1本17g前後で40円くらいのものもある。
ボクなどは後者で十分なのだけど、ときどきよく乾かした上乾品が欲しくなると、徳島県県南宍喰のものや、高知県のものを取り寄せたりする。
ちなみにこのよく乾かしたものを三重県尾鷲市では「かんぴんたん」といい、島根県浜田市では「しんしびる」という。尾鷲市では「かんぴんたん」という言葉を上手に使っているが、島根県の「しんしびる」はせっかく面白い言葉なのに生かせていない。島根県人よ、言葉は大切なのだぜ。
さて我が家の近所のスーパーでいつでも買える、「うるめ干」は鹿児島県薩摩川内市湯田町にある下園薩男商店のものだ。
これが実にすぐれた干もので、たぶん東京人の好みであるやや柔らかく生干しではあるものの、焼いた時の風味といい、最上級のものだと思っている。
下園薩男商店の丸干しは「頬ざし」、とか「えらざし」とされるものだ。テレビどころか偉そうに水産物を語るヤカラ(日本の水産学ってもうダメかもね)までなんでもかんでも「目ざし」なんていい散らかすが、地域によって刺し方が違うのだ。