具足煮だ、と思ってイセエビを手に入れる
野性的な料理は野性的に食べる
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神奈川県小田原市、小田原魚市場の、活魚槽の大方を占めるイセエビを見て、いきなり食べたい、と思った。
特にエビ好きなわけでもないし、エビと言っても多種であるので、イセエビに対して強い欲求を感じることはめったにない。
その上、イセエビの刺身でもなく、ソテーでもなく、アメリケーヌソースをからめてなんてものでもなく、ましてや漁師の定番料理・みそ汁でもない。
具足煮が食べたい、と思って買った。
具足とは、武士が戦時に着用する鎧(よろい)のことで、イセエビが「まるで鎧をまとっている武士ように見える」のでイセエビ類の煮つけを「具足煮」という。
名前ほどには難しい料理ではなく、適当にぶった切って甘辛く煮つければいいだけの、超簡単料理でしかない。
甘辛い煮汁をからめたのを一切れ手に取って、野性的に食べるのが好き、だ。
酒もお茶など、すべての飲み物は不要である。
輪切りにした胴の部分の殻から身をぷにゅっと押し出してはかぶりつく。
頭部は噛んだり、しゃぶったりしてミソをなめ、すすり、破片でしかない小さな身を食べる。
最後に熱湯をかけて煮汁をすすり、食べ残した部分を食べるのだけど、食べ終わりまで10分足らずでしかない。
イセエビというのは非常に高い。
大相撲を見に行って取り組み一番だけ見て帰ってくるような贅沢さ、であるが、たまにはいいと思っている。
最盛期間近のイセエビ漁
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イセエビはカニなどとともに10本の歩脚鉗脚がある十脚目、抱卵亜目イセエビ科のイセエビである。
英語圏では広い意味でのlobsterでもある。
現在生息域はよくわからないが、産地としては千葉県以南、山陰西部、九州で水揚げがある。
エビ類の中では大型で1㎏以上の個体がいる。
神奈川県では6月、7月が禁漁期で、9月くらいから12月くらいまで漁の盛期となる。
今季のイセエビは結構高い。
正月飾りに使われたり、エビの中のエビと言ってもいいだろう。
