春たけなわのカサゴの唐揚げ
ちょっと大きいかも
八王子綜合卸売協同組合、マル幸に小振りのカサゴがあった。パーチがなく、箱にも表示がない。調べてもらっても曖昧だったが京都産だろうということに落ち着いた。となると若狭湾の丹後半島周辺で揚がったもの、などと想像するしかない。
小型のカサゴの値段は西高東低だと思っている。ただ今や経済的には東日本の方が上なので、少しだけ関西での評価=値段が高いという程度ではある。
がさがさと放り入れたような荷の中から最小サイズを選んだら、2尾とも体長15cm・115gほどであった。荷の最大は体長18cm前後だ。このサイズがいちばん中途半端なのである。煮つけにするには小さく丸揚げ(唐揚げ)にするには若干大きすぎる。この小さめが唐揚げギリギリのサイズではないかと思っての買い、だ。
魚の唐揚げの価値観は東西の料理人で違っている。東日本では最後の手段的料理としての唐揚げであり、西日本では高級な料理と位置づけられている。
大坂などで小さな「がしら(カサゴ)」があると唐揚げ用だなと思い、真っ先にお願いするが、東京の居酒屋にはそれがない。
この骨っぽい魚を唐揚げにしようと最初に考えて人は偉いと思う。調理時間が長いので店の経営的にもいかがなものか?
大阪湾は瀬戸内海の東の入り口であり、泉南から長々と「がしら」の産地が続く。木津などの市場に活かしの「がしら」が普通にあるのは、産地が近いせいでもある。
関東に来る荷は厳密に大きさが揃えられてくるが、大阪の市場には大きさにばらつきがある。こんなところにも唐揚げが定番料理になる大阪の事情がありそうだ。