3月18日 兵庫県但馬香住のアカモク

とろとろとうまし


兵庫県但馬地方からの帰途、京都府京丹後市久美浜のスーパーで見つけたものだ。
但馬から東に向かい丹後地方に入ってすぐ、海岸近くにあるスーパーでは香住産アカモクとして売られていた。標準和名で売り買いされているのは、但馬地方でも丹後地方でも昔、この海藻を食べていなかった証しである。それが今や当地の名産品になっている。但馬に来たらアカモクを土産にして欲しいくらいである。
本種を昔から食べていたのは、東北から新潟県にかけての日本海側だけだと思う。1980年前後、おんぼろシビックでの旅の途中、新潟市の海岸で海藻を採取していた老人に分けていただいたとき、種もわからないまま、教わったままで食べたのが「初ぎんばそう」である。
京都府京丹後市久美浜のスーパーに売っていたのは先にも述べたように、兵庫県香美町香住で採取したもの。但馬地方で昔から食べていたのは「じんばそう(ホンダワラ)」であり、アカモクなど船の航行の邪魔者でしかなかったのだ。

ていねいに洗って売っているアカモク


この朝(2023年3月16日)、競り場に並んだ「じんばそう」を買ったばかり、アカモクも買うべきか悩んだ末に諦めている。まさか丹後で香住産アカモクに出合えるとは思ってもみなかった。
食べ方は簡単である。問題はひとつだけ、甲殻類アレルギーのある方は持ち帰ったらていねいに、ワレカラなどを洗い流して頂きたい。

ゆでると鮮やかな緑になる


最近ではていねいに洗っているので、甲殻類アレルギーがなければそのまま真水(塩水でもいいが変わらないと思う)でゆでる。
ざっと氷水につけて粗熱を取り、バットなどに広げて水分をきり、完全に冷ます。
後はまな板の上でたたくだけだ。たたくとねばりが出てくる。このとろとろしたのも味の内だ。
ネバトロに、しゃりしゃりした歯触り、海藻ならではの海を感じさせる味わい。
このまま食べてもいいし、ご飯にのせて食べてもいい。
おいしいし、痩せられるくいもんであることからして超うれしい。


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