ぶしゅかんを使って、カツオのめじか新子風

脂のないカツオで作ってもおいしいことを発見する


高知県で作られている「ぶしゅかん(モチユ)」は8月後半から10月はじめにかけて水揚げされる、「めじか(マルソウダ)の新子」のためにある、という人がいる。
実際、「ぶっしゅかん」が青いのもこの頃である。
皮も果汁もおいしい酢みかんなので、何にかけてもうまいが、「めじか(マルソウダ)の新子」の刺身にやけに合う。

高知県土佐市、白木果樹園から送って頂いたので、「めじか(マルソウダ)」は無理なので、近所で売られていた小振りのカツオの刺身に使ってみた。
変な名だけど、カツオのめじか新子風とでも言えそうである。

ほんのり甘味がある「ぶしゅかん」の果汁と醤油の組み合わせが、やや小さく切ったカツオに合う。
実に印象深い味で、あえていうと「ぶしゅかん」があるから生まれる味でもある。
酢みかん、醤油に、細かくすり下ろした果皮の強い苦みと強い香りが、カツオの刺身を異世界のもののごとくする。
「ぶっしゅかん」の特徴は種が大きく多いことだが、この種を取り除こう、なんてことをやったら「めじか新子風」にはならない。

「ぶしゅかん」は高知県でのモチユの呼び名である


「ぶしゅかん(モチユ)」は高知県だけで作られているわけではないと思うが、他県で作られているというのは聞かない。
テニスボールくらいの大きさで、スダチと同じように青い時季に使われる。
また、「めじか新子風」には、果皮と果汁を丸々1個分使わないとダメだ。

皮がおいしい「ぶっしゅかん」でなければ作れない


カツオの腹部を小さめに切る。
「ぶしゅかん(モチユ)」の皮をおろし金ですってたっぷりかける。

種など気にせずに野性的に


ここに「ぶしゅかん(モチユ)」1個分の果汁をかけまわす。
種を取り除くと土佐風とはならない。
仕上げに好みの量の醤油をかける。


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