山口県日本海側「瀬付きあじ」は間違いなし

アジどころ山口県で厳選した「瀬付きあじ」の刺身はご飯泥棒だ


山口県日本海側は「アジどころ」である。
「アジどころ」というのはおいしいマアジが揚がる地域という意味ではなく、干もの業者が買い付けに回る地域のことをさす、ボクの造語である。
干もの業者は何十トンものマアジを仕入れるのだが、仕入れ先は、島根県、山口県、佐賀県、長崎県、愛媛県、量的には落ちるが宮崎県や鹿児島県である。
この地域で揚がるマアジの特徴は脂があることである。

「アジどころ」、島根県にも厳選した、「しまね定置もん」や「どんちっちあじ」があるが、たぶんそれより昔々からあったのが山口県日本海側の「瀬付きあじ」である。
回遊しないで瀬に居着いているマアジのことで平均して脂がある。
萩に行った時にも食べているが、外れなしの魅力的なマアジである。

久しぶりの「瀬付きあじ」は体長24cm・230gなのでちょうどいい大きさである。
大急ぎで朝ご飯用に半身を刺身にして食べた。夕ご飯にも半身食べたので、1尾丸ごと刺身、刺身だ。
木曜日に手に入れた止め(前日入荷)なので食感は落ちているものの、ごっつ大きなうま味が舌に広がり、その後に脂の口溶け感が来た。
脂を甘いと感じるのと、ご飯の甘さがよく合う。

止めと言っても、鮮度がいいので魚臭さはまったくなく、ショウガなしで食べても非常においしい。
やはり水氷(塩水に氷を加えた中に魚を入れて輸送)は優れものだ。
さて、これより8月くらいまで「瀬付きあじ」はとれるのだろう。
並アジだって、悪くないが、ちょっとだけ贅沢して「瀬付きあじ」の日々が続きそう。

背の部分が分厚い。それだけで脂の乗りがわかる


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に山口県萩・仙崎から「瀬付きあじ」が来ていた。島根県から山口県を九州にわたり、佐賀県、長崎県と味のいいマアジが揚がる季節である。
味見なのでいつものことながら1尾だけ買い求める。
触っただけで脂の乗りがわかる、といったものでさっそく刺身にする。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。


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