春の小田原、ヒコの唐揚げ
相模湾のカタクチイワシは時季時季で味が違う

ヒコ(カタクチイワシ)は子持ちなら天ぷらに、と思ったけど、子なし状態だった。
子持ちなら天ぷら、煮つけ。
なしなら唐揚げにすることが多い。
たっぷり揚げてビールの友にし、深夜仕事のおやつに食べる。
今回の唐揚げはふんわりとしてサクっとしているのを期待したが、まったく違った味わいであった。
揚げると硬く締まり、少し重い味になった。
ただし、よりカタクチイワシらしいうま味豊かなところが表に出たといった感じである。
サクッとして口の奥に消えるのではなく、噛み応えがあり、強いうま味が長く続く。
唐揚げにもこんな味わいがあることがわかった気がする。
明らかに今の時季のカタクチイワシの味がここにあるのだ、と思われた。
ちなみに同じ二宮定置の唐揚げでは6月はふんわりさくさく、8月はさくさくだったが身のふくらみはなかった。
相模湾だけでもカタクチイワシには多数の産卵群(同級生)がいるので、味の波を考えると、意外に奥が深そうである。
とれたてのヒコイワシくらい美しいものはない

5月9日の神奈川県小田原魚市場は魚であふれていた。選別の簡単な魚もいれば時間のかかる魚もいる。
二宮定置の、選別の重荷となっていた小魚は3種類。
ゴマサバ・ムツの子供達、カタクチイワシだ。
カタクチイワシは大小あって、計量のために持ち帰った。
もちろん唐揚げと丸干しを作る。