春の小田原、ムツ子の唐揚げ

さくさくと、ついつい箸伸びるムツ子の唐揚げ


今回はカタクチイワシと、ムツ子、ゴマサバ子を2日にわたって唐揚げにして食べた。
小魚の唐揚げはいうなれば定番的な料理である。
突き出しに小皿に2、3尾とうこともある。
ちなみに唐揚げの料理店の料理としての地位は、西日本で高く、東日本で低い。
西日本では御馳走で、東日本ではなんとなく注文するものでしかない。
西日本の料理人は積極的に作るが、東日本では嫌う料理人が多い。

さて、今回唐揚げ3品の第一弾がムツ子である。
まだ温もりのある内に口に放り込んだ。
非常に上品な味わいで、身にも味がある。
冷めたら香ばしさが増して、スナック菓子のような感じになる。
味わい深く、上等すぎるスナック菓子である。
唐揚げとしては特徴がないのが残念であるが、ついつい箸が伸びる。
今回は揚げて塩味(しおあじ)だけだが、これが正解だった。
ムツの唐揚げはたいへん軽い味なので、コショウもなにもいらない。
こんなにさくっと軽いとは思わなかった。
ひとつかみではなく、もっと持ち帰ってきてもよかった。

飲み物は、まだ逢魔が時なので凍頂烏龍茶。

ダンベからいろんな魚を救出


5月9日の神奈川県小田原魚市場は魚であふれていた。選別の簡単な魚もいれば時間のかかる魚もいる。
この日の時間のかかる小魚で目立つのは3種類。
ゴマサバ・ムツの子供達、カタクチイワシだ。
中でもムツという魚は子供のときには浅場にいて、大きくなると深場に落ちる。
子供の時には定置で揚がり、大人になると釣りで揚がる。
小さくても売れる魚なので定置網でたくさんとれても、競り時間さえ気にしなければ、人手があり徹底的に選別すれば、売れる。
でも実際にはそれは無理な話ということを多くの方にわかって頂きたい。
水揚げ量の多いときには、その他大勢としてダンベに放り込まれることも多々ある。
たぶん、ダンベに入れられたら魚粉になるのだと思う。

食べられるだけムツ子をダンベから救出


これをひとつかみ持ち帰って、帰宅後鰓をつかんで内臓を取る。
そのままペーパータオルにくるんで冷蔵。
逢魔が時に取り出して、片栗粉にまぶして寝かせる。
これをじっくり二度揚げする。


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