ハチジョウアカムツの兜焼きは酒で食べきる、酒煮
塩焼きとして食べるだけではもったいない兜焼き

昔、酒飲みだったときよく作ったものに、塩焼きの酒煮がある。
塩焼きを適当にばらして、酒と煮るだけの簡単な料理だ。
塩焼きと酒、ともに主役といったもので、若い頃は酒をうんとたくさん入れて煮た。
吟醸酒などでもいいのかも知れないが、いつも普通酒(本醸造もしくは純米酒)を使う。
塩焼きはできる限り雑に食べようぜ
強火でがらがら沸騰させる

鍋に酒と塩焼きを入れて、ぐらぐらと沸かすだけだから焼き置いたどんな魚の塩焼きでも作れる。
ぐらぐらと沸いてきたらマッチで火を入れる。
エビなどの甲殻類、二枚貝などの軟体類で作っても面白そうだ。
単純な料理法なので、もっとも失敗する可能性の少ない料理である。
寒い時季なら沸いた後に、弱火で温めながら食べても・飲んでもいい。
今回は雑に食べた兜の塩焼きに、二合半の東京都青梅市の「澤ノ井 純米酒」の酒煮であるが、食べ始めてからが難しい。
酒だけ飲み尽くすと、後がつまらなくなる。
酒と塩焼きを適度に、かわりべったんに食べる、飲む。
酒から飲むか、塩焼きから食べるか

それにしてもハチジョウアカムツのうま味を吸い、黄金色になった酒のうまさよ。
ボクが詩人なら詩を作りたいが、凡人の悲しさよ。
そして塩焼きだけど、酒で柔らかくほとびれた皮と身は、こちらの方も酒のうま味を吸って、塩焼き以上においしいのだから、困る。
昔のようにまた飲めたら、いいな。