春だから墨イカげそと菜の花の酢みそ和え
菜の花の苦味、いかげその甘味

八王子総合卸売センター、八百角では、白菜やキャベツが高くて、なぜか菜の花の特売をしている。
ここ数年、菜の花を買い忘れて、気がついたら「のらぼう(多摩地区などの薹立ち菜)」、「かき菜」などということがある。
特売に手が出る、のは貧乏だからだ。
墨イカ(コウイカ)を買って、菜の花を買って、無機質な部屋に春を呼び込みたい。
菜の花は苦味こそだと思いながら、げその甘味と弾力を楽しむ。
伊良湖の墨イカが滅法よくて、滅法うまい。
げそに味があるし、膨らみがある。
イカのうまさの表現は難しいが、噛めば噛むほど口の中に豊かなうま味と、豊かな甘味で満ちる。
菜の花の苦味と調和する。
そうだ、春は苦味というが、味の調和こそ、春だ。
酒は栃木県の「惣誉」のぬる燗を5勺だけ。
ボクって禁欲的やも知れぬ。
東京生まれは、やはり墨だらけがいいという

八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に、愛知県伊良湖から墨だらけの墨イカ(コウイカ)が来ていた。関東の市場では墨だらけが普通だったが、最近、よく洗ったものも来る。
どちらもいいことはいいが、知り合いの魚屋が「やっぱ墨だらけがいい」なんてビニール袋を手袋にして1ぱい、2はい。釣られてボクも1ぱいだけ。0.36kgなので立派な親イカといっていいだろう。
最近は胴よりも、真っ先にげそだ。げその酢みそ和えを作る。
水洗いしてげそは開いて3等分くらいにして塩もみする。こ
れをていねいに水洗いして粘液を流す。
塩ゆでにしてザルにおか上げ(水に放たないでゆでてザルに乗せ、摂氏4度のベランダに出す。夏はうちわで扇ぐ)。
冷めたら適当に切る。
菜の花はゆでておか揚げにし、これもベランダに。
酢みそは、西京味噌、新潟県妙高市の毘沙門みそ・酢・砂糖・辛子。
酢みその粘度を調整するために水を使う。
もりつけてかける。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。