北海道根室市、「おおがい」、わたの塩から

北海道道東の広大な干潟にもぐり込んでいる


北海道根室市は国内で唯一、オオノガイ漁が行われているところ。
2024年6月24日の北海道根室市温根沼や春国岱でのオオノガイ漁解禁日(解禁日は年2回)に漁を見に行った。
オオノガイは干潟の泥の中にもぐり込んでいるので、動力船などでの漁はできない。すべて手掘りである。
この手掘り漁を、干潟を駆けずり回って見せて頂いた。
オオノガイの料理に関しても聞いて回ったが、水管を刺身で食べるという人は少なく、常備菜とか保存食にする人ばかりだった。
塩辛を作る、もしくは作っていたという人は取り分け多かったが、今でも毎年作るという人は少なかった。
仕方がないので作り方を教わって、わたを譲り受けて作ってみた。

基本的には水管以外のオオノガイのわたと塩


当日、いただいたオオノガイのわたをていねいに洗い砂などを洗い流す。
水分をよく切り、わたをフリーザーパック2つにつめて、わたの量の5分の1強の塩を添加した。ついでに当日、量りを貸して頂いた方に感謝したい。
酒を加えると言う人と、いらないという人がいたので、片方には地酒「北の勝」を少し加える。
このフリーザーパックの口をあけて大きめの保存瓶に入れて、エアコンをつけている日中は部屋に、夜は冷蔵庫に入れて熟成を待つ。
写真はちょうど4ヶ月目だけど、充分に熟成が進み、うま味が複雑化している。

酒を加えた方がうまいという人もいた


オオノガイのワタに塩だけを加えたもの、またそこに酒を追加したものの2種作ったが違いはあるのだろうか。
非常にくせの強いものだというが、常温で作っても4ヶ月ではそれほど臭わないし、食べやすくおいしい。
酒を入れたものと入れないものの違いはわからなかった。
思った以上にうま味の濃度が高く、塩の角が感じられない。
ご飯と食べてもおいしい。
これを少し小さめのフリーザーパックに移し替えて、1年寝かせてみるつもりだ。


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