
高崎市総合地方卸売市場に行くと、『市場食堂』で必ず朝ご飯を食べる。
普通の食堂であることがうれしいし、海鮮丼的なものがないのもいい。
築地でも、移転後の豊洲でもそうだが、市場人というものは意外に魚飯を食べない。
簡単な定食とか、牛丼などがいいのである。
高崎市総合地方卸売市場、『市場食堂』は、今どき少なくなりすぎの市場人のための市場の食堂である。
ここでもっぱら食べるのは「もつ煮込み定食」である。
なんだかんだで群馬と言えばもつ煮込みとなる。
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これを見た途端、今年は新イカを食べないで終わるのだな、と思った。
別に新イカが好きなわけではないが、季節を感じられるものなので、一度くらいは食べて置きたかった。
仕方がないので、外套長9cm前後を3ばい買って帰ってきた。
帰宅するや間髪入れずに下処理をする。
外套膜をていねいにペーパータオルにくるんで深夜を待つ。
一日を3つに分けているので、ボクの深夜は丑三つ時である。
湯に1秒弱くぐらせ、氷水に取り、水分をきって切りつけただけだ。
まだまだコウイカらしい味がないものの、考えてみると5月の漁の最盛期以来食べていない。
印象に残らない平凡な味ながら、嫌みもない。
ゆっくり味わって食べないと、イカらしい味にも乏しい。
まあこれはこれで、9月のコウイカの味として記憶に止めておこう。
酒は新潟市西区内野町、「鶴の友 上白」が、やけにうまい、カネタタキの啼かない深夜なのであった。
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漁港内で落ちたらまず助からない。
子供用など2000円以下のものもある。
さて新潟県西区五十嵐新川漁港周辺の生物・食物図鑑を作っている。
新川漁港の漁港内は釣り初心者には一日遊べるところだし、横を流れる新川側などでは上級者にとっても大物が狙える場所である。
また漁港内にもいろんな魚、ホヤ類、甲殻類などがいる。
網ですくうといろんな生き物がとれる。
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ほぼクサヤモロかな、と思いながらも同定のために小振りのものを連れ帰ったら、全部クサヤモロだった。
銭州では大物釣りのエサとなるので、クサヤモロはクサヤモロとは呼ばれず、エサと呼ばれている。
ただ料理法によっては大物釣りの主役である「もろこ(クエやマハタかな)」やカンパチ、シマアジよりもうまい。
特にフライにするとシマアジなどは目じゃないね、と言いたい。
体長23cm・145g前後を三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。
水分をよく拭き取って塩コショウする。
小麦粉をまぶし。溶き卵にくぐらせ、パン粉をつけて揚げる。
後は食べるだけだ。
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てんやわんややっさもっさで、昨日が土曜日で今日が日曜日で、明日が祝日だということを忘れていた。
上越市から持ち帰った古文書の準備をしているし、旅があるし、事務処理もある。
そんなとき、鹿児島県鹿児島市の久保和博さんから画像が送られてきた。
赤いハタで同定不能だった。
遠藤広光さんまでわずらわして、コクテンアオハタというところまでたどりつく。
ただ、『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)とは似ても似つかない。
「アオハタ」なのに赤い。
蒲原稔治の1957年は遠い遠い昔なんだなと思う。
そんなこんなで忙しい最中に忙しいが重なる。
やはり標準和名というのは難しい。
本種、ヤハズアオハタ、アオハタモドキ、スミツキアオハタに関しては標準和名の再検討を要すとは素人的な考えなのだろう。
遠藤広光さんに感謝します。
非常に貴重な魚を見つけてくれた久保和博さんにも感謝!
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徹底的に産地と水産生物を撮影、気になるものは後々テキスト化できるようにメモを取る。
横道世之介、ときどき視察という名目で背広組が市場を見学しているのに出くわすことがあるけれど、100%税金の無駄である。メモも取っているわけでもないし、何も見ていない。
差別用語が含まれるが群盲象を評す以上に意味がない。
市場で物事が見られるようになるためには熟練を要す。
背広組の市場視察は背広組だけでは無理、やめなさいといいたい。
背広組と違ってボクの市場は超過酷、かつ重労働なのだ。
競りが終わったあと高田城址公園で暫しまどろむ、というか意識をなくす。
目覚ましがなって堀まで歩いたら、曇り空の下そこは極楽浄土だった。
夜を徹しての新潟行なので疲れはとれないが、極楽へのエレベ−ターに乗った気分になる。
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北海道網走は近年人気が高いので、値段は非常に高い。
右の羅臼も負けず劣らず高いけど網走ほどではない。
煮つけにするならサイズ的には小振りな網走で、羅臼は大きすぎる。
横に並んで右左を見て、つられ買いする。
1尾でいいので羅臼産のいちばん小さい22cm・306gを、量りに乗せて値段を聞いてから買う。
さすがに「きんき(キチジ)」をキヨミズガイはできない。
帰宅して、すぐに煮つけにする。
水洗いして湯通しして冷水に落とす(この工程は必須ではない)。
水分をよくきり、酒・みりん・砂糖・たまり醤油(必須ではない)・濃い口醤油で煮る。
煮上がりで朝ご飯のおかずにしたが、そんなに多くは食べられない。
脂が多すぎるし、うますぎるからだ。
とろとろ口に含むと溶け出して消える。
そのはかなさよ、といいたいところだけど非常に強い味だ。
保冷剤を皿に敷いてラップをして置く。
昼ご飯には室温になった煮つけをおかずにする。
いただきもののニラをみそ汁にしたが、余計な気がした。
純粋に「きんき(キチジ)」だけでご飯を食べたい。
今回は肝心の肝に触らないように気をつける。
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新川漁港の漁港内は初心者には一日遊べるところだし、横を流れる新川側などでは上級者にとっても大物が狙える場所である。
新川漁港内では小物が、横を流れる新川側では大物が釣れるのだが、地元の高校生が新川側に行ったり、漁港内に行ったりして次々に釣り上げていたのがクロダイである。
新川側で釣り上げたのが20cmクラス、漁港内のサビキに来たのが9cmほどである。
あまりにもきれいなので撮影させてもらった。
要するにこれは高校生の釣果の横取りというやつだ。
新川側では大物が来るようだが、さすがに日が昇り潮止まりとあってはそれは望むべくもない。
それでも飽きない程度に釣れるのがいい。
近所に新川釣具があって便利な釣り場でもある。
釣りマナーを守れる人はぜひ、新川漁港へ。
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