3.8m TL 前後になる。瞬膜がある。鰓孔は体の側面に開き、頭部は比較的尖る、胸鰭は細長い。臀鰭があり背鰭は2基(大小2個)。第1背鰭起部は腹鰭起部よりもかなり前。尾鰭基底背面にくぼみがある。尾柄部に弱い隆起線があるが、幼魚にはない。[74cm TL ・1.7kg]
ヨシキリザメの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
![3.8m TL 前後になる。瞬膜がある。鰓孔は体の側面に開き、頭部は比較的尖る、胸鰭は細長い。臀鰭があり背鰭は2基(大小2個)。第1背鰭起部は腹鰭起部よりもかなり前。尾鰭基底背面にくぼみがある。尾柄部に弱い隆起線があるが、幼魚にはない。[74cm TL ・1.7kg]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/188/Thumb630/20230915063.jpg)


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珍魚度・珍しさ
★★★★
正に珍魚・激レア生物魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★★★
重要味の評価度
★★★
美味
分類
魚類 顎口上綱軟骨魚綱板鰓亜綱サメ区ネズミザメ上目メジロザメ目メジロザメ科ヨシキリザメ属外国名
学名
Prionace glauca (Linnaeus, 1758)漢字・学名由来
漢字 葦切鮫 Yoshikirizame
由来・語源 東京と安房(千葉県)での呼び名。
〈足切り鮫〉が語源。鱶鰭(ふかひれ)の原料なので鰭を切り取ってしまう。鰭は魚にとって足であるので〈足を切り取る〉から「よしきり」になった。〈あしきりざめ〉が〈よしきりざめ〉になったのは、植物の葦(あし)を〈よし〉と呼ぶのが〈あし〉が〈悪し〉に通じるのを嫌って、〈善し〉としたというのと同じ。『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)
〈よしきりざめ 安房〉、『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)
〈板鰓亞綱横口目星椎亞目ホシザメ科ヨシキリザメ屬 ヨシキリザメ〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
〈ヨシキリザメ 葦切鮫 東京でヨシキリ、大阪でミズブカ又はアオブカ‥‥肉は頗不味で、従来は棄てていたことがあるが、今日では並製の蒲鉾材料として大切なものである。其鰭は鱶鰭中もっとも上等のもので‥‥〉。『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)地方名・市場名
生息域
海水魚。外洋性。
北海道全沿岸、陸奥湾、日本列島太平洋沖、希に山陰・瀬戸内海、東シナ海、。千島列島、カムチャツカ半島南東沿岸、台湾、中国南シナ海、西沙諸島、全世界の温帯〜熱帯域。生態
卵胎性。1月〜2月に胎仔(子ザメ)を35匹前後産む。
イワシ類やマグロ、頭足類(イカ)などをエサとしている。基本情報
全世界の温帯域〜熱帯域に生息する大型のサメ。もっとも漁獲量の多いサメのひとつ。マグロ延縄漁の混獲魚で主に宮城県気仙沼に水揚げされている。国内の水揚げ量は500トン〜1600トンほどである。鮮魚として出回らないので一般的な知名度は非常に低い。
鱶鰭材料としては最上級で、気仙沼などで加工され、輸出が行われている。頭部、内臓などは漁場で切り落とされ、筋肉、鰭、軟骨などが利用されている。
和歌山県や三重県で作られている「さめのたれ(干もの)」の原料であり、関東ではおでんなどに使う、はんぺん、すじの材料としてよく利用されている。
珍魚度 珍しい魚ではないが全身ちゃんとした状態で見ることは非常に難しい。比較的小型個体を探すしかないが、めったに出合えない。水産基本情報
市場での評価 鮮魚としての流通は非常に少ない。練り製品、フカヒレ(鱶鰭)の材料である。
漁法 延縄、刺網
主な産地 宮城県選び方
ー味わい
旬は不明。
鮫肌で血合いは弱め。とても水分の多い身だが、くせがなく上質な身をしている。
臭味の有る無しなどは不明だが、大型の水揚げなどを見る限り、臭味などはまったくないようである。
小型の個体の臭味もない。食材として使いやすいと思う。
鮮魚としての味の評価は仔魚のもので、成魚のものではない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ヨシキリザメの料理・レシピ・食べ方/揚げる(フライ)、煮る(湯引き)、焼く(一夜干し)クリックで閉じます
ヨシキリザメのフライ 水分の多い身だが、ほどよく筋繊維が束になり、臭味やくせがない。フライ材料に向いていそうだ。切り身にして塩コショウする。小麦粉をまぶし、溶き卵をくぐらせてパン粉をつけて揚げる。香ばしいパン粉に閉じ込められた身は揚げることで適度に締まり、ほどよいうま味と甘味が感じられる。非常においしい。
好んで食べる地域・名物料理
ー関連コラム(郷土料理)
東京周辺の鮫の煮こごり
東京都周辺では正月に「煮凝り」は欠かせない。 蒲鉾店(おでんだねを作る店)や食品製造業者が作るもので、原材料には、ふか皮(ネズミザメ、ヨシキリザメ、アオザメ)、・・・ 続きを開く加工品・名産品
釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/日比野友亮さん(北九州市立自然史・歴史博物館)、さんの水産(■https://www.sanno-suisan.com/)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『平成 30 年度国際漁業資源の現況 ヨシキリザメ』(水産庁、水産研究所 2018)