1.2m TL 前後になる。背鰭は2で第2背鰭先端部分だけが黒い。背鰭基底背面にくぼみがある。各鰭の先端は白くない。第2背鰭と臀鰭はほぼ同じ位置にある。
スミツキザメの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)



-
珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱軟骨魚綱ネズミザメ上目メジロザメ目メジロザメ科メジロザメ属外国名
学名
Carcharhinus tjutjot Bleeker, 1852漢字・学名由来
漢字 墨付鮫(墨附鮫) Standard Japanese name / Tsumagurozame
由来・語源 第二背鰭の先に墨がついたように黒い部分があるため。Bleeker
Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。大陸棚や水深170メートル前後の底近く。
[長崎県]、土佐湾〜九州南岸の太平洋沿岸、有明海。希に琉球列島、小笠原諸島。
朝鮮半島南岸、台湾、中国東シナ海・南シナ海、インド洋〜西太平洋、ペルシャ湾。生態
胎生。基本情報
国内でも暖かい海域に生息する。メジロザメ科では小型である。
鹿児島県ではゆびきなどにするほか、練り製品にもなる。
この鹿児島県ですらサメ類の食文化が衰退しようとしている。昔から食べられていたサメが未利用魚になってしまうのはとても残念である。
珍魚度 九州などでは水揚げがあるが量的には少ない。丸のままの状態で出合うのはとても難しい。水産基本情報
市場での評価/鹿児島県では練り製品や湯引きにもするが、市場での価格などは不明。
漁法/
産地/長崎県、鹿児島県選び方
触って張りのあるもの。味わい
旬は不明。
体表はサンドペーパー状である。皮は引くのではなく表面をゆでてこそげ落とした方が早い。骨はサメなので柔らかい。
血合いのよわい白身で熱を通しても硬く締まらない。臭味などはまったくない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
スミツキザメの料理・レシピ・食べ方/生食(湯通し)、煮る(湯引き、煮つけ)、揚げる(空揚げ)、ソテー(ムニエル)、焼く(塩焼き)クリックで閉じます
スミツキザメの湯通し 比較的鮮度のいい個体なので、食感がほどよく、生の部分であっても臭味がなく、むしろ魚らしいおいしさがある。軽く熱を通した皮が取り分けうまい。嫌みがないので酢みそで食べると、箸が止まらなくなる。
水洗いして三枚に下ろす。適当な大きさに切り、湯に落とす。皮目に火が通ったら氷水などに落とす。皮のザラザラした鱗を落とし、水分をとる。これを刺身状に切る。
スミツキザメの肝刺身 くせのない味だが、舌に独特の味が脂が残る。血液の味が強く感じられるもので、好き嫌いが出そうである。クリックで閉じます
水洗いして肝を取り出して、水分をきり、刺身状にスライスする。コチュジャン酢、ごま油と塩などで食べる。スミツキザメの煮つけ 煮ても軟らかく、とても味わい深い。取り分けおいしいのは皮と皮下である。身は適度にほぐれ、ちゃんと脂の存在が感じられる。クリックで閉じます
頭部、腹部などを適当に切る。湯通しして冷水に落とし、残った鱗などを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水で煮る。スミツキザメの唐揚げ 大きなサイコロ状の周りにある皮が絶品である。表面が香ばしく、皮自体はねっとり味がある。揚げて締まった身もとてもおいしい。クリックで閉じます
尾に近い部分を適当に切り、湯通しして冷水に落とし表面の鱗をこそげ落とす。水分をよくきり、片栗粉をまぶしてじっくり揚げる。好んで食べる地域・名物料理
ー関連コラム(郷土料理)
西のサメ食、フカの湯引き・サメの湯引き
三重県以西の太平洋側、瀬戸内海、九州では基本的にゆでて酢みそで食べる。 鹿児島県志布志ではこれを「せんさら(千皿)」という。 とりたててうまいわけではないが、な・・・ 続きを開く加工品・名産品
釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/魚喰民族 石田拓治さん(長崎県長崎市)、有水屋(鹿児島県鹿児島市9
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)