
殻長8センチ前後。アラスジサラガイよりも小振り。一見、アラスジサラガイと見分けがつかない。表面がやや滑らかである
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
★★★ 一般的(流通量は多くも少なくもない) |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目ニッコウガイ科サラガイ属
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外国名 |
ー
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学名 |
Megangulus luteus (Wood,1828)
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漢字・学名由来 |
漢字 紅皿貝
由来・語源 平瀬與一郎の命名。貝殻の裏側が鮮やかな紅色であるため。 |
地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
海水生。北海道。朝鮮半島東岸、サハリン、北千島、アラスカ西部。
水深10メートル〜60メートルの砂地。 |
生態 |
ー |
基本情報 |
サラガイ(シロガイ)総論
漆喰のような白い貝殻を持ち、北国の砂地などに普通にみられる二枚貝。
食用となるのはサラガイ、アラスジサラガイ、ベニザラガイの3種。
ウバガイなどの桁網に混ざる。
古くは北国で細々ととれていたもの。
産地などでもっぱら消費されていた。
ウバガイなどと比べると安いので手軽に総菜などに使われていたようだ。
本種(ベニザラガイ)について
アラスジサラガイとの区別は至難。殻を開けて内側が紫がかった赤が強いのが本種の特徴である。アラスジサラガイは内側の赤が薄い場合が多いことで区別されるが確実ではない。じん帯を右上において左の稜線の丸い膨らみが強い。  ベニザラガイの貝殻内側
アラスジサラガイは内側の赤が薄い場合が多いことで区別されるが確実ではない。  ベニザラガイ側面から
アラスジサラガイはじん帯を右上において左の稜線の丸い膨らみが強い。 サラガイ3種の比較
サラガイはときに混ざり合い、ともに「白貝」とされて北海道などから入荷する。
上からアラスジサラガイ
殻が厚く持ち重りする。貝殻表面の白い皮はややとれやすく貝殻のいちばん上部(貝頂)から同心円上にある筋(成長肋)がはっきりしている
中、ベニザラガイ
殻がやや薄い。貝殻の表面に殻皮(薄い膜)があり、アラスジサラガイと比べるとなめらか
下、サラガイ
他のサラガイの仲間とは区別しやすい。上の2種よりやや小振り。表面がつるつるしている。 |
水産基本情報 |
市場での評価 入荷は少なくない。アラスジサラガイ、サラガイと混同されている。市場では「シロガイ」と呼ばれ関東でも定番的なものとなっている。値段は安い。
●関東に入荷する「シロガイ(白貝)」はアラスジサラガイ、ベニザラガイ、サラガイの3種類。
漁法 貝けた網漁(「ホッキガイ(ウバガイ)」、「アオヤギ(バカガイ)」漁に混ざってとれる)
産地 北海道、青森県 |
選び方 |
原則的に生きているもの。貝殻につやのあるもの。 |
味わい |
旬は春〜夏
足はクセがなく、また貝特有の風味も薄い。
貝全体では旨みもほどほどにある。
熱を通しても硬くならない。
サラガイとは味では区別がつかない。 |
栄養 |
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寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
調理法
炒める(野菜炒めなど)、ソテー(ムニエル、ジョン、バター焼き)、蒸し煮(ワイン蒸し、酒蒸し)、刺身(ゆびき、生、酢のもの)、汁(みそ汁、潮汁)、カレー、焼く、かき揚げ
炒める 白老などで野菜炒めにするというが絶品。野菜と合わさって、旨みが俄然輝く。
ムニエル・ソテー 小麦粉をつけてバターでソテーするムニエル、バター焼き、溶き卵をからませてソテーした韓国料理のジョンなどにしてもうまい。
蒸し煮 ワイン蒸し、酒蒸しにして美味。オリーブオイルにニンニクの風味づけをして、本種を投入。ワインを振りかけて中火でゆっくり蒸し煮にしていく。必ずフランスパンを用意すること。
刺身 アオヤギ(バカガイ)と同様、剥いて湯通しして冷水であら熱を取り、刺身にも。完全な生で食べてもまずいわけではないが、軽く熱を通すと甘みが出る。ただしアオヤギのような個性には欠ける。軽く湯がいたものを酢の物、和え物にしても美味。
汁 みそ汁や潮汁、トマトスープなどに入れても美味。
カレー 北海道白老などではカレーの具材にもなっていたという。これもいい味である。
焼く 串などに刺して、しょうゆ焼きなどにしても美味しい。
揚げる ヒモ、貝柱などでかき揚げにしてもいい。
■ 料理法はアラスジサラガイ、サラガイと共通。  ベニザラガイのムニエル
貝殻の片方を取り去り、ムニエルにしたもの。簡単でうまい。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
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加工品・名産品 |
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釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
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参考文献・協力 |
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