
体長60cm前後になる。赤みがかったり、黒かったり、色は全体に暗色で多用。体側にうっすらと太い横縞がある。
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
★★★ 美味 |
分類 |
硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ゲンゲ亜目タウエガジ科フサギンポ属
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外国名 |
Fringed blenny
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学名 |
Chirolophis japonicus (Herzenstein,1894)
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漢字・学名由来 |
漢字 総銀宝
由来・語源 田中茂穂の命名。頭部に総状の皮弁があるため。 |
地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
海水魚。岩礁域。
北海道全沿岸、北海道〜山口県の日本海側、北海道〜茨城県の太平洋側。
東京湾には少ない。
朝鮮半島、山東半島、ピーター大帝湾。 |
生態 |
ー |
基本情報 |
やや寒冷な海域の沿岸にいる中型魚。
定置網、刺し網などにかかる。
まとまって取れない上に見た目が悪いので、ほとんど利用されていない。 |
水産基本情報 |
市場での評価 入荷は非常に希。非常に安い。
漁法 定置網、刺し網
産地 |
選び方 |
触って張りのあるもの。退色してなくて、横縞が見えるもの。粘液が少ないもの。 |
味わい |
旬は不明
背鰭の細く鋭い棘があり生きているものを不用意に触ると危険。
鱗は小さく滑りが多い。骨は柔らかい。皮は厚い。
やや赤みがかった白身で、繊維質ではなく熱を通すとポロポロとする。
●近縁のナガズカ、タウエガジの卵巣などに有毒成分があるとされているため内臓は食べないにこしたことはない。 |
栄養 |
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寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
揚げる(唐揚げ、天ぷら)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)、湯引き、生食(昆布締め)  フサギンポの唐揚げ
フサギンポの唐揚げ 滑りが強いのでブラシなどで鱗と一緒に取る。三枚に下ろして頭部に近い方は身の方から骨切りする。片栗粉をまぶしてじっくりと揚げる。さくさくと香ばしい中に白身の甘味がある。  フサギンポの天ぷら
フサギンポの天ぷら フサギンポは水洗いして三枚に下ろして、尾に近い小骨のない部分を使う。水分をよく拭き取り、小麦粉をまぶして衣をつけて揚げる。クセのない白身で揚げるとふんわりとふくらむ。甘味はあるものの淡泊な味なので、ドレッシングやポン酢で食べるといい。  フサギンポの煮つけ
フサギンポの煮つけ 水洗いして二枚に下ろす。骨つきの身を適宜に切る。湯通しし、冷水に落として表面のぬめりや残った鱗を取る。水分をきり、酒、砂糖、しょうゆの味つけで煮る。身にも皮にもあまり味がないのでこってり煮つけて美味。  フサギンポのみそ汁
フサギンポのみそ汁 あらを集めて湯通しして、冷水に取り、ぬめりなどを落とす。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。昆布だしで煮だして酒、塩でもいいが、ややたんぱくに過ぎる。  フサギンポのちり
フサギンポの落とし(ちり) フサギンポは水洗いして三枚に下ろす。身の方から骨切りして、適宜に切る。これを塩味の湯に落として身を開かせて、氷水にとる。皮の滑りをとり、水分をよくきる。梅肉酢をそえる。まずくはないがフサギンポ自体にうま味はなく、梅肉の味が勝ってしまう。  フサギンポの昆布締め
フサギンポの昆布締め フサギンポは三枚に下ろして小骨のない後半部分の皮を引く。薄く刺身状に切り、昆布の上にのせて締める。昆布で締めても身は餅状になり、べとべとする。まずくはないが昆布の味に負けてしまう。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
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加工品・名産品 |
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釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
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参考文献・協力 |
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)
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