ヒラスズキの料理法・調理法・食べ方/生食(刺身、焼霜造り、カルパッチョ、セビチェ)、焼く(塩焼き、素焼き、幽庵焼き、障子焼き、白子焼き)、煮る(煮つけ、アクアパッツァ、わた煮)、汁(潮汁。みそ汁)、揚げる(フライ、唐揚げ)、ソテー(ムニエル)

ヒラスズキのお造り

ヒラスズキの刺身 スズキ同様透明感のある白身。違うのは血合いが美しく、黒い筋がないこと。一見、タイ科やメジナ科に近い。味わいは淡泊でいながら旬の脂ののったものは甘味とうま味が強く、やや硬いと感じるくらいに食感が心地よい。薄造りにしてもいいと思う。わさびとしょうゆもうまいが、意外に一味唐辛子としょうゆ、酢がよかった。酢みそで食べてもいい。[2kg背]

ヒラスズキのお造り

ヒラスズキの腹身刺身 背の部分にはタイ科に見られるような赤い血合いがある。腹には見事な銀皮がでる。しかも腹身の方が食感が強く、脂も多い。一切れはあまり厚みをつけず、薄く造るといい。

ヒラスズキの薄造り

ヒラスズキの刺身(若魚) 全長30cmほどの若魚はまだ脂ののりは感じられず、うま味も少ない。脂ののった大型とは違いあっさりして上品な味わいを楽しむといい。三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。皮を引き刺身にする。

ヒラスズキの焼霜造り

ヒラスズキの焼霜造り 小型を三枚に下ろして腹骨を取り、血合い骨を抜く。皮目をあぶって少し急速冷凍庫で表面を落ち着かせる(氷水に落としてもいい)。これをサイコロ状に切ってみた。この方が皮の味が生きる。やや淡泊過ぎるのを皮の味が補っていい味になる。

ヒラスズキのカルパッチョ

ヒラスズキのカルパッチョ 旬以外の問題ありの個体は身色はあまりよくないが味は悪くない。これをできるだけ薄く切り、にんにく風味をつけてオリーブオイル、塩コショウした皿に並べていく。スプーンでとんとんと馴染ませ、上に香りのある野菜を散らして再度オリーブオイルを開け回す。柑橘類などを使ってもいい。

ヒラスズキのセビチェ

ヒラスズキのセビチェ 刺身などを造っているとどうしても切れ端が出てくる。これを紫玉ねぎ、辛い青唐辛子と合わせてライム、塩でマリネーしたもの。爽やかな味わいのなかしっかりヒラスズキのうま味が感じられる。スピリッツにとても相性がいい。
ヒラスズキの塩焼き 大型なので水洗いして二枚に下ろし骨つきの方を切り身にする。振り塩をして1時間程度寝かせてじっくりと焼き上げる。スズキよりもクロダイに近い味わい。クセがなく脂がのっているので柔らかく豊潤。
ヒラスズキの素焼き 小型を水洗いする。二枚に下ろして、水分をよくペーパータオルなどでとる。これをそのまま焼き上げる。好みでポン酢とか、マヨネーズ醤油とか、ショウガ醤油で食べる。塩焼きとは別種の味わいが楽しめる。
ヒラスズキの幽庵焼き 水洗いしてかまの部分を使った。鰭などを切り取り酒・みりん・醤油同割りの地につけ込む。柚子やしょうがの風味をつけてもいい。漬け込んで焼いても硬く締まらずふんわりと柔らかく焼き上がる。非常に美味。

ヒラスズキのグリル

ヒラスズキのグリル 切り身をにんにく、コショウ、塩、オリーブオイル、シェリーでマリネ。これをグリルパンで焼き上げたもの。脂がのっている時期には身が締まらずふっくらと焼き上がる。旬を外しても適度にしまっていい感じになる。トマトなど好みの野菜を合わせるとなおよろしい。

ヒラスズキの白子焼き

ヒラスズキの白子焼き 秋の産卵期を下ろすとしばしば白子が出てくる。これが言い味わいなのだ。基本的に煮るよりも焼いた方がうまいと思う。表面の香ばしい味わいに中はクリーミー。佳肴となる。
ヒラスズキの障子焼き 大型の中骨を焼き上げる。ここでは振り塩をして焼き上げるのだが、八割方焼き上がったら酒を塗りながら仕上げる。中骨の身は非常に味わい深く、適度にしまっている。酒の肴に最高である。
ヒラスズキの煮つけ(あら煮) スズキと違って上質の白身である。あら、肝や胃袋なども美味。あらは集めて置き、湯通しして冷水に落として残った鱗やヌメリを流す。水分をよくきり、酒・醤油・水で煮る。みりんや砂糖などで甘味をつけてもいい。ここではゴボウと煮て、煮上がりに振りショウガをした。ショウガは無用だったかも。

ヒラスズキのまーす煮

ヒラスズキの塩煮 塩煮(まーす煮)は強めの塩水で終始強火で魚を短時間で煮上げていく料理。魚のうま味を出すとともに、それを濃縮していく。古くはほとんど液体が残らないように作ったが、最近では汁気を残す。この汁気を絡めながら食べる。硬い木綿豆腐(あれば沖縄の島豆腐)があれば一緒に煮るとうまい。

ヒラスズキのアクアパッツァ

ヒラスズキのアクアパッツァ 切り身をたっぷりのオリーブオイルと水で焼き上げるように煮込んだもの。煮汁にこくを出すために干しトマト、にんにく、エシャロットなどを使った。またアサリなど二枚貝を加えるとうま味が増す。
ヒラスズキのわた煮 下ろすときに腹腔膜、腹部に付着した脂身、胃袋、肝などを取って置く。湯通しして表面のヌメリを流す。これを醤油(ここでは薄口醤油)・酒・水で短時間さっと煮上げる。身よりも内臓の方が上に思えるほどにうまい。
ヒラスズキの潮汁 あらを集めて置く。湯通しして冷水に落とし、残った鱗やヌメリを流す。これを昆布だしで煮だして酒塩で味つけする。刺し昆布をしてもいい。実にうま味豊かで深い味わいの汁になる。ご馳走としかいいようがない。

ヒラスズキの魚汁

ヒラスズキのみそ汁 あらを水から煮出してみそをとく。少し鮮度の落ちたものは、湯通しして冷水に落とし、ヌメリなどを流してから煮出す。水ではなく昆布だしを使うとなお美味。こくのある実に味わい深いみそ汁だが嫌みがない。ご飯のおかずに最適だ。

ヒラスズキのフライ

ヒラスズキのフライ あまり脂ののっていない1kgクラスを三枚に下ろして中骨を抜き、切り身にする。塩コショウしてフライに揚げたもの。上質のクセのない白身なのでフライは定番的な料理だ。さくっとしたなかにジューシーな味わいが楽しめる。

ヒラスズキの唐揚げ

ヒラスズキの竜田揚げ 切り身を作ったあとの半端な部分や頭部、かまの部分を適当に切る。これをしょうゆ、みりんを合わせた中に漬け込む。香りづけに好みの香辛料(ここではヒバーツ)を。水分をよくきって片栗粉をまぶしてじっくり揚げる。

ヒラスズキの炊き込みご飯

ヒラスズキの炊き込みご飯 中骨の部分に強めの振り塩をする。半日から1日寝かせておく。このままで3〜4日持つ。これをお釜に入る大きさに切り、酒を加えてご飯に炊き込む。炊きあがりにみょうがや青ねぎをざっくりと混ぜ込む。