ぼうずコンニャクの食べる魚貝類だけでなく多彩な生物の図鑑です。掲載種は2500種以上、食用の水産生物の一般的なものは総て網羅。検索法・食べ方を詳しく解説しています。

ヒラスズキ(Blackfin seabass)

Scientific Name / Lateolabrax latus Katayama,1957

ヒラスズキの形態写真

SL 80cm前後になる。スズキに比べて体高が高い。尾柄(びへい 尾のつけ根)が太く、尾鰭の切れ込みが浅い。[成魚]
ヒラスズキの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
SL 80cm前後になる。スズキに比べて体高が高い。尾柄(びへい 尾のつけ根)が太く、尾鰭の切れ込みが浅い。[成魚]SL 80cm前後になる。スズキに比べて体高が高い。尾柄(びへい 尾のつけ根)が太く、尾鰭の切れ込みが浅い。[若魚]
  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★★

    知っていたら達人級

    ★★★

    一般的(流通量は多くも少なくもない)

    ★★★★

    非常に美味
    分類
    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目スズキ科スズキ属
    外国名
    Blackfin seabass
    学名
    Lateolabrax latus Katayama,1957
    漢字・学名由来
    漢字 平鱸
    由来・語源 スズキよりも体高があり、左右に平たいため。
    地方名・市場名
    ヤヒロ/福岡県福岡市中央卸売市場(20180517)
    市場でもヒラスズキ。
    高知県ではオキスズキ、スズキ、ホンスズキ。
    生息域
    海水魚。房総半島から長崎県まで棲息。
    スズキが河口や湾内に多いのに対し、海流が洗う外洋に面した荒磯に多い。淡水域、汽水域にはいない。
    生態
    産卵期は10月〜4月。
    基本情報
    古くはスズキと同種と思われていた。
    磯の波の荒い場所にいること、旬がスズキとは真逆の寒い時期であることなど。
    市場での取り扱い方も大いに違っている。
    スズキに淡水魚に似た独特の臭みがあるのに対して、本種はまったくそれがない。
    入荷量が少なく、一般に出回ることはほとんどない。
    ヒラスズキの切り身ヒラスズキの切り身
    身色はスズキとはまったく違っている。むしろイサキやマダイに近く、血合いが鮮やかに赤い。見た目も美しく、味もいい。
    水産基本情報
    市場での評価 入荷量は少ない。釣りもの、定置ものが多く、取り扱いがいいので、高値安定。
    漁法 釣り、定置網
    主な産地 東京湾以南の太平洋側、九州。
    選び方
    できれば活け締めにしたもの。触って硬いもので、目が澄んでいるもの。鰓が赤いもの。
    味わい
    旬は秋から冬
    鱗は細かく取りやすい。皮は厚くてしっかりしている。骨はやや硬い。
    透明感のある白身で色合いはイサキやマダイに近い。
    スズキのような淡水魚を思わせる臭いは全くない。
    煮ても、汁にしても、焼いても、生で食べても美味しい。料理法を選ばない。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    ヒラスズキの料理法/生食(刺身、焼霜造り、カルパッチョ、セビチェ)、焼く(塩焼き、素焼き、幽庵焼き、障子焼き、白子焼き)、煮る(煮つけ、アクアパッツァ、わた煮)、汁(潮汁。みそ汁)、揚げる(フライ、唐揚げ)、ソテー(ムニエル)
    ヒラスズキのお造り
    ヒラスズキの刺身 スズキ同様透明感のある白身。違うのは血合いが美しく、黒い筋がないこと。一見、タイ科やメジナ科に近い。味わいは淡泊でいながら旬の脂ののったものは甘味とうま味が強く、やや硬いと感じるくらいに食感が心地よい。薄造りにしてもいいと思う。わさびとしょうゆもうまいが、意外に一味唐辛子としょうゆ、酢がよかった。酢みそで食べてもいい。[2kg背]

    ヒラスズキのお造りヒラスズキの腹身刺身 背の部分にはタイ科に見られるような赤い血合いがある。腹には見事な銀皮がでる。しかも腹身の方が食感が強く、脂も多い。一切れはあまり厚みをつけず、薄く造るといい。
    ヒラスズキの薄造りヒラスズキの刺身(若魚) 全長30cmほどの若魚はまだ脂ののりは感じられず、うま味も少ない。さっぱりして上品な味わいと考えればなかなか捨てがたい味わい。
    ヒラスズキの焼霜造りヒラスズキの焼霜造り 小型を三枚に下ろして腹骨を取り、血合い骨を抜く。皮目をあぶって少し急速冷凍庫で表面を落ち着かせる(氷水に落としてもいい)。これをサイコロ状に切ってみた。この方が皮の味が生きる。やや淡泊過ぎるのを皮の味が補っていい味になる。
    ヒラスズキのカルパッチョヒラスズキのカルパッチョ 旬以外の問題ありの個体は身色はあまりよくないが味は悪くない。これをできるだけ薄く切り、にんにく風味をつけてオリーブオイル、塩コショウした皿に並べていく。スプーンでとんとんと馴染ませ、上に香りのある野菜を散らして再度オリーブオイルを開け回す。柑橘類などを使ってもいい。
    ヒラスズキのセビチェヒラスズキのセビチェ 刺身などを造っているとどうしても切れ端が出てくる。これを紫玉ねぎ、辛い青唐辛子と合わせてライム、塩でマリネーしたもの。爽やかな味わいのなかしっかりヒラスズキのうま味が感じられる。スピリッツにとても相性がいい。
    ヒラスズキの塩焼き
    ヒラスズキの素焼き
    ヒラスズキの幽庵焼き
    ヒラスズキのグリルヒラスズキのグリル 切り身をにんにく、コショウ、塩、オリーブオイル、シェリーでマリネ。これをグリルパンで焼き上げたもの。脂がのっている時期には身が締まらずふっくらと焼き上がる。旬を外しても適度にしまっていい感じになる。トマトなど好みの野菜を合わせるとなおよろしい。
    ヒラスズキの白子焼きヒラスズキの白子焼き 秋の産卵期を下ろすとしばしば白子が出てくる。これが言い味わいなのだ。基本的に煮るよりも焼いた方がうまいと思う。表面の香ばしい味わいに中はクリーミー。佳肴となる。
    ヒラスズキの障子焼き
    ヒラスズキの煮つけ
    ヒラスズキのまーす煮ヒラスズキの塩煮 塩煮(まーす煮)は強めの塩水で終始強火で魚を短時間で煮上げていく料理。魚のうま味を出すとともに、それを濃縮していく。古くはほとんど液体が残らないように作ったが、最近では汁気を残す。この汁気を絡めながら食べる。硬い木綿豆腐(あれば沖縄の島豆腐)があれば一緒に煮るとうまい。

    ヒラスズキのアクアパッツァヒラスズキのアクアパッツァ 切り身をたっぷりのオリーブオイルと水で焼き上げるように煮込んだもの。煮汁にこくを出すために干しトマト、にんにく、エシャロットなどを使った。またアサリなど二枚貝を加えるとうま味が増す。
    ヒラスズキのわた煮
    ヒラスズキの潮汁
    ヒラスズキの魚汁ヒラスズキのみそ汁 あらを水から煮出してみそをとく。少し鮮度の落ちたものは、湯通しして冷水に落とし、ヌメリなどを流してから煮出す。水ではなく昆布だしを使うとなお美味。こくのある実に味わい深いみそ汁だが嫌みがない。ご飯のおかずに最適だ。
    ヒラスズキのフライヒラスズキのフライ あまり脂ののっていない1kgクラスを三枚に下ろして中骨を抜き、切り身にする。塩コショウしてフライに揚げたもの。上質のクセのない白身なのでフライは定番的な料理だ。さくっとしたなかにジューシーな味わいが楽しめる。
    ヒラスズキの唐揚げヒラスズキの竜田揚げ 切り身を作ったあとの半端な部分や頭部、かまの部分を適当に切る。これをしょうゆ、みりんを合わせた中に漬け込む。香りづけに好みの香辛料(ここではヒバーツ)を。水分をよくきって片栗粉をまぶしてじっくり揚げる。
    ヒラスズキの炊き込みご飯ヒラスズキの炊き込みご飯 中骨の部分に強めの振り塩をする。半日から1日寝かせておく。このままで3〜4日持つ。これをお釜に入る大きさに切り、酒を加えてご飯に炊き込む。炊きあがりにみょうがや青ねぎをざっくりと混ぜ込む。
    好んで食べる地域・名物料理
    加工品・名産品
    釣り情報
    磯際でのルアー釣りの対象魚。荒れている時の方がよく釣れるとされている。
    歴史・ことわざ・雑学など
    参考文献・協力
    『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版)
  • 主食材として「ヒラスズキ」を使用したレシピ一覧

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