ノトイスズミ

Scientific Name / Kyphosus bigibbus Lacepède, 1802

ノトイスズミの形態写真

体長50cm前後になる。体側に目立った斑紋がなく灰色。吻はあまり突出せず、クチバシ状ではない。背鰭軟条は通常12、尻鰭軟条は通常11。第1鰓弓の鰓耙数は21〜24。ただし20の個体もあった。[銭州群島 36cm SL ・1.3kg]
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体長50cm前後になる。体側に目立った斑紋がなく灰色。吻はあまり突出せず、クチバシ状ではない。背鰭軟条は通常12、尻鰭軟条は通常11。第1鰓弓の鰓耙数は21〜24。ただし20の個体もあった。[銭州群島 36cm SL ・1.3kg]体長50cm前後になる。体側に目立った斑紋がなく灰色。吻はあまり突出せず、クチバシ状ではない。背鰭軟条は通常12、尻鰭軟条は通常11。第1鰓弓の鰓耙数は21〜24。ただし20の個体もあった。背鰭軟条は通常12軟条。尻鰭軟条は通常11軟条。吻はあまり突出せず、クチバシ状ではない。第1鰓弓の鰓耙数は21〜24。ただし20の個体もあった。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目イスズミ科イスズミ属

    外国名

    学名

    Kyphosus bigibbus Lacepède, 1802

    漢字・学名由来

    漢字 能登伊寿墨
    由来・語源 坂井恵一によって命名。能登島町の定置網で揚がるイスズミ科を坂井恵一が詳細に研究、中坊徹次とともに国内で1991年、新たに発見されて種であることが判明。
    イスズミは伊豆での呼び名。「イスズミ」、「イズスミ」、「エズスミ」などの変化がある。「いす」は「石」、「ずみ」は「すみ」と同じで「棲」で磯(石場)に多い魚の意味。
    Lacepède
    Bernard Germain Lacepède(ベルナール・ジェルマン・ド・ラセペード 1756-1825 博物学者、音楽家。フランス)はビュフォン(Georges-Louis Leclerc de Buffon 博物学者。リンネとは違った配列を試みた)の後継者。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。浅い岩礁域。
    青森県平舘、宮城県石巻、千葉県外房〜九州南岸の太平洋沿岸、[富山湾魚津 2008-2018 年に富山湾で新たに記録した魚類 木村知晴・西馬和沙・不破光大・稲村 修(魚津水族館)]、能登半島〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、屋久島、[種子島]、琉球列島。
    インド-西太平洋(赤道付近の熱帯域をのぞく)。

    生態

    基本情報

    イスズミと生息が重なっているので、区別せずに扱われている。磯臭さのある個体があるために非常に安い。伊豆諸島などでは冬の魚として密かに人気がある。

    水産基本情報

    市場での評価/流通することは非常に希。
    漁法/刺突漁、刺し網、定置網
    産地/沖縄県、鹿児島県

    選び方

    触って張りのあるもの。磯臭みのある固体が多い。できれば活魚か活け〆で素早く内臓を取り去ったものを選ぶ。

    味わい

    旬は不明。
    鱗は硬く取りにくい。皮は厚みがあり強い。骨は硬くない。
    血合いが灰色で鮮度が悪いと黒みがかる。白身で熱を通しても硬くならない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ノトイスズミの料理法・調理法・食べ方/生食(焼き切り、刺身)、揚げる(素揚げ)、みそ汁(素揚げみそ汁)、煮る(煮つけ)、ソテー(ムニエル)、焼く(塩焼き)

    ノトイスズミの焼き切り(たたき) 四国などの郷土料理だ。三枚に下ろして腹骨・血合い骨を抜く。水分をよくきり、切身の皮目に縦に切れ目を入れて表面をあぶって刺身状に熱いうちに切り、手に塩をしてたたく。柚の果汁(柑橘類ならなんでもいい)を振り、再度たたく。皮目の香ばしさもあって非常にうまい。


    ノトイスズミの刺身 非常に上質の白身だ。水揚げしたら活かしておくのがベスト。もしくは生きている内に〆(即死させ)て神経を抜き、内臓を抜くといい。ここまでやっておくと臭わない。8月の刺身は、脂がのっていてきめ細やかな舌触りで非常に美味。
    ノトイスズミの素揚げ 野締めや問題のある固体は、唐揚げ(粉をつけて揚げる)ではなく、素揚げ(なにもつけずに揚げる)にしたした方が臭いが気にならない。表面の香ばしさに中は鶏肉のようにしまりとても味わい深い。
    ノトイスズミのフィッシュ&ティップス しっかり〆ているものなら唐揚げにしてもいい。ここではジャガイモも一緒に揚げてみた。タイやスズキに似た身質で揚げても硬く締まりすぎない。ビールのいいつまみになる。
    ノトイスズミの素揚げみそ汁 石垣島のウミンチュはヒチュー(イスズミ類)は素揚げにしてからみそ汁にするという。こうすると臭いはまったく気にならず、濃厚な味わいのみそ汁になる。非常に美味。

    ノトイスズミの煮つけ 臭みのある固体は熱を通すと余計に臭うので、状態のいいものを使いたい。切り身にして湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流し、水分をよくきる。これを酒・しょうゆで煮つける。みりん、砂糖で甘味をつけてもいい。身が硬く締まらず、ほどよく繊維質でうまい。
    ノトイスズミのムニエル 切り身に塩コショウして小麦粉をつけて多めの油でじっくりソテーする。仕上がりにマーガリン(バター)で香りづけする。タイ科やスズキ科などの身質に近く、ほどよく繊維質で口に中に入れてほどよくほぐれる。非常にうま味豊かだ。

    ノトイスズミの塩焼き 臭みのない固体を適当に切る。振り塩をして1時間以上寝かせて、じっくりと焼き上げる。皮目が香ばしく、中がとてもしっとりジューシーに焼き上がる。スズキの塩焼きに近い味わいだが、独特の風味も楽しめる。

    好んで食べる地域・名物料理


    ササヨのピーマカ 小笠原に行き調べた方に聞いたこと、ネット情報などを合わせた。酢が合わせ酢であるか、塩・酢だけの単純なものであるかなどの違いがあった。また酢ではなく柑橘類を使う方が本格的だとも。ここでは玉ねぎ、大根のせん切りをササヨ(ノトイスズミ)の切り身と合わせて、塩と酢、ライムで締めた。合わせ酢を使ってもいいのだと思う。セビチェやポキに近い考え方。気温が高い地域に向いていると思う。[東京都小笠原諸島]

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/河村雄太さん(沖縄県石垣島)、マルコウ水産(東京都八王子市)
    『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)

    地方名・市場名

    クソヘリ
    場所三重県大王町 参考林市兵衛さん 
    クソクイ
    場所三重県志摩市大王町 参考林市兵衛さん 
    シツオ
    場所宮崎県 備考イスズミ科の総称。 参考荒武成寿さん 
    ササア
    場所東京都八丈島 備考イスズミっ類として 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    ハトヨ
    場所東京都八丈島・青ヶ島 備考イスズミ類 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    ササイ
    場所東京都八丈島差木地 備考イスズミ類として 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    ササエ
    場所東京都八丈島差木地・三宅島 備考イスズミ類 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    ササヨ
    場所東京都大島波浮・八丈島・小笠原 備考イスズミ科・イスズミ類 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    ハチジョウササヨ
    場所東京都諸島部 備考イスズミ類 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    マービー
    場所沖縄県南城市知念 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    マット
    場所沖縄県南城市知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    マンガイ
    場所沖縄県南城市知念知念漁協など 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    ヒチュー
    場所沖縄県石垣島 参考河村雄太さん 
    クロヒツオ ババ ババグレ ヒツオ
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    ヒツダイ
    場所鹿児島県鹿児島市 
  • 主食材として「ノトイスズミ」を使用したレシピ一覧

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