15cm SL 前後になる。側へんし、細長い。側線は前方にだけある。尻鰭の外縁は丸い。[雄]
シシャモの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★★★
知っていたら通人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区新骨亜区正新骨下区側原棘鰭上目キュウリウオ目キュウリウオ科シシャモ属外国名
学名
Spirinchus lanceolatus (Hikita, 1913)漢字・学名由来
漢字 柳葉魚 Shishamo
由来・語源
1913年に北海道大学の疋田豊治(山形県生まれ。明治15年1882〜昭和45年1970)によって新種として発表された。アイヌ語でスサモ、スシャモと呼ばれていたものを、シシャモとして標準和名にした。
■ アイヌの神によって柳の葉(「柳=スス」+「葉=ハム」もしくは「柳=シュシュ」+「葉=ハム」)からつくられたという伝説に由来する。
■ 伝説はサケがとれなくて困ったときアインシモリ(アイヌの人)がカムイ(神)に祈りをささげたところ、柳の葉が落ちて魚になった。これがシシャモであった。地方名・市場名 ?
生息域
淡水→海水→淡水。海域沿岸部の水深20-30m附近。
北海道の太平洋岸。日本固有種。生態
■ 10中旬〜11月上旬にかけて川を遡上、下流域で産卵する。
■ 産卵後、海にくだって成長する。
■ 翌秋にはオスは多くが成熟し産卵に参加して死ぬ。また小型のオスは海に残り、翌年2年目に産卵に加わる。メスは1年で成熟産卵、翌年には2度目の産卵をする。
■ だからシシャモの寿命は3年から4年。基本情報
北海道東部太平洋側だけでとれる生息域の狭い魚。サケの近い種の魚で同じように産卵回遊のために河川に上るときが漁期だ。
古くは産卵期、川がシシャモで埋まるほどとれたもので、比較的北海道など産地周辺で食べていたもの。
1970年代には確実に鮮魚が都内に送られて来ているが、古くは北海道のローカルな味覚だった。北海道の秋、シシャモを干す光景は風物詩となってさえいた。これが1970年前後からデパートなどの物産展などで人気が出て、とれなくなった時期と重なったためもあって高騰して今日に至っている。
これを補っているのが北大西洋からくるカラフトシシャモだ。現在出回っているほとんど総てが輸入もの。国産シシャモの干ものは現在では高級品で庶民からは遠い存在だ。
干ものは雌の子持ちを尊ぶ。鮮魚が一般的になってからは雄も同等に高い。特に2022年、2023年などは不漁で高騰している。
珍魚度 珍しい魚ではなく食用魚だ。季節限定で秋から初冬にしか手に入らないが、北海道ではなく関東でもお金さえ出せば買える。水産基本情報
市場での評価 干物は年間をとおして出回っているが、とても高い。関東の市場でも鮮魚は普通。秋には必ず見かける。値段は高値安定。
漁法 けた網漁(底曳網の一種)
産地 北海道選び方
干ものは変色していないもの。やや強く干したものが美味。
鮮魚は触ってしっかりしているもの。成熟の進んでいないものがいい。味わい
旬は秋
鱗は薄く取れやすい。皮は弱く、骨は柔らかい。
血合いの赤い白身で熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
好んで食べる地域・名物料理
日本全国加工品・名産品
釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
■干物としては非常に高価。
■ヨモギの茎を口に通しシシャモを干す光景を「すだれ干し」と呼ばれ北海道の早い冬の風物詩となっている。
■卵に価値がある。加工食品(干物)では雌(めす)が高く、雄(おす)は安い。
■スーパーなどで「シシャモ」として売られているのはノルウェーやアイスランド周辺で漁獲されるカペリン(カラフトシシャモ)である。
■1913年に北海道大学の疋田豊治によって新種として発表された。
■日本固有種。
■産卵のために川に上る時期が漁の時期でもある。
産地 は鵡川(鵡川町)、沙流川、十勝川など。
■昔は川を埋め尽くすほど遡上し、たくさんとれたとされている。
北海ワカサギ 第二次世界大戦戦時下のこととして、〈市場に送られて来たシシャモは、送り状に「シシャモ」と書かれているが東京では通用しない。それで「北海ワカサギ」などと、馴染みのある名で売っていた。〉という。戦前、シシャモは東京では馴染みがなかったのかも。参考文献・協力
『新 北のさかなたち』(北海道新聞社 監修/水島敏博、鳥澤雅 編/上田吉幸、前田圭司、嶋田宏、鷹見達也)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)