全長20cm前後になる。皮袋は赤く、小さな棘が密集してザラザラするが目立つ突起物、模様などはない。
アカボヤの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)


-
物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
脊索動物門尾索動物亜門ホヤ綱マボヤ目マボヤ亜目マボヤ科マボヤ属外国名
学名
Halocynthia aurantium aurantium (Pallas,1787)漢字・学名由来
漢字 赤海鞘、赤老海鼠、赤保夜
由来・語源 赤いホヤ類の意味合い。Pallas
Peter Simon Pallas (ペーター・ジーモン・パラス)。ドイツの動物学者。主に冷水域の魚を記載した。ホッケ類、アイナメ類など国内海域にいる多くの魚類を記載。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。潮下帯の砂礫地。本種が「大発生してホタテガイ漁業の障害になった」『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社)という記述から生息場所がわかる。
国内では北海道のみに生息。北海道太平洋・オホーツク海沿岸。
ベーリング海をへてアメリカ西北部。生態
雌雄同体。
産卵期は9月〜翌1月。
入水管と出水管を持ち、入水管で水中の微少なプランクトンなどを摂取、出水管でこした海水や排泄物を出す。
幼生期にはオタマジャクシに似た形態をしていて(オタマジャクシ幼生)、脊索がある。その後付着生活に入る。
着底するのはアラスジマルフミガイなどのいる場所。このアラスジマルフミガイとの関係は面白そうだ。基本情報
北海道から少ないながら入荷してくる。全国的に流通するようになった歴史は浅いと思う。実際にマボヤと比べるとまだまだ知名度は低い。味的にはマボヤと競合するものとして存在感を増してきている。
水産基本情報
市場での評価 関東ではマボヤに次いで入荷量が多い。赤みが強く、少ないのでときにマボヤよりも高値となる。
漁法
産地 北海道選び方
原則として生きているもの。触って張りのあるもの。味わい
旬は夏から秋。
食べるのは皮嚢内の筋膜体。しっかりした硬さで、縦に収縮する。
泥を噛んでいることが多い。
栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
アカボヤの料理法・調理法・食べ方/煮る(ゆでほや)、生食(刺身)、焼く(焼きほや)クリックで閉じますゆでアカボヤ
アカボヤの塩ゆで(ゆでほや) 殻を数等分して中の黒い部分などをよく取り去る。殻付きのままゆでる。塩ゆでにすると、甘味やうま味も強くなるが、渋みや苦みも増す。真水でゆでると渋みや苦みは少しだが和らぐ。ホヤ類のこの個性的な部分を愛すなら、塩ゆでがいいと思う。
アカボヤの刺身 殻を割り、身を取り出して黒い部分をよく取り、水洗いをする。これを適宜に切ったもの。好みにもよるが、しょうゆではなく柑橘類と塩で食べるとうまいように思う。酢のものなどにも使える。クリックで閉じますアカボヤの刺身
焼きアカボヤ(焼きほや) 殻を4等分に割り、よく内臓などを洗い流す。これを強火で焼き上げたもの。うま味や甘味も増すが、渋みや苦みも一層強くなる。ホヤ類が好きという人にはたまらない料理だと思う。クリックで閉じます焼きアカボヤ
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
■殻皮(皮嚢)または外套膜という丈夫な膜で包まれているので「皮嚢類」とも。
■脊索動物門尾索亜門で人、魚、カエルなどの脊椎動物亜門と「門(分類のもっとも上位)」を同じくする。
■脊索動物門頭索動物亜門にナメクジウオ。
■食用となるのは国内ではマボヤ、アカボヤ。韓国などではエボヤ、シロボヤ(?)。参考文献・協力
『水産無脊椎動物Ⅱ 有用・有害種各論』(奥谷喬 恒星社厚生閣)