スズキ
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珍魚度・珍しさ | ★ いつでも手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★ これは常識 |
食べ物としての重要度 | ★★★★ 重要 |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目スズキ科スズキ属
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外国名 | Japanese seabass
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学名 | Lateolabrax japonicus (Cuvier, 1828)
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漢字・学名由来 | 漢字 鱸 須々木 Suzuki Cuvier バロン・ジョルジュ・レオポルド・クレティアン・フレデリック・ダゴベール・キュヴィエ(Baron Georges Léopold Chrétien Frédéric Dagobert Cuvier 1769-1832)。フランスの分類学者。キュビエとされることが多い。スエーデンのリンネ、フランスのビュフォンの分類体系に解剖学や古生物学などを加味して現在の形の礎を作った巨人のひとり。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。内湾・岩礁域。若魚は汽水域から淡水域に侵入する。
北海道全域・[紋別]、青森〜九州西岸・鹿児島県南さつま市笠沙の日本海・東シナ海、青森〜日向灘の太平洋沿岸、瀬戸内海。
朝鮮半島南岸・西岸。
生態
10月から3月、外洋に面した岩礁地帯で産卵する。1尾の産卵数は20万粒前後。
松島湾では12月中旬〜1月上旬。
東京湾周辺では10月下旬〜2月下旬。
三河湾、伊勢湾では1月〜3月。
瀬戸内海では10月〜1月。
豊後水道では12月〜2月下旬。
若狭湾では12月下旬〜1月中旬。
土佐湾、九州では11月〜3月。
1歳で20センチ前後、2歳で30センチ前後、3歳で40センチ前後になる。
小さな時は甲殻類、大きくなると甲殻類、魚を餌にするようになる。
稚魚期、若魚期には汽水域、汽水湖などに入る。
夏には浅場で、寒い時期は深場に移動する。
基本情報
琉球列島を除く国内の内湾に多い。出世魚で、縁起がよく、奈良時代の古事記(712年)、平安時代の延喜式(927年)にもあり、歴史的な高級魚のひとつ。昔は身近な淡水域、内湾でとれ、味がいいので人気が高かった。それが河川、内湾の汚染で高級魚ではなくなり、むしろ安い魚の代表的なものとなってしまっていた。きれいな水域でとれたものは小さくても味がよく、また国内での資源も豊かである。今や内湾の汚染も解消されて、もう一度価値が見直されてきている。
大型のスズキサイズだけではなく、小型でも味がいいことなど、もっと広く知らしめたい。
特に東京湾内房での高鮮度化による夏の固体の高級化は目を見張るものとなっている。もういちどこの上質の白身を味わい直すべきだと考えている。
珍魚度 東京湾が一大産地であるためか、首都圏では在り来たりな魚となっている。これは伊勢湾の名古屋、大阪湾の大阪、豊前海の福岡などでも同じ。安いので買いやすいのもある。
水産基本情報
市場での評価
野締め(漁のときに死んだもの)は安い。ときに非常に安い。また大きさによっても値段の違う。
夏期の活けもの、活け締めなどは高値をつけ、神奈川県、兵庫県明石などの活け締めは安定的に高い。過去の高級魚というイメージは現在はないが、徐々にまたスズキのよさが知られているようだ。
漁法 釣り、巻き網、定置網
主な産地 千葉県、兵庫県、福岡県、愛知県、大阪府
選び方・食べ方・その他
選び方
できれば活けを選ぶ。野締めは身がしっかり硬いもの。鰓が鮮紅色のもの。体表の銀色が輝いているものを選ぶ。
味わい
幼魚、若魚、成魚、成熟した大型魚(腹太)では味わいが大きく異なるが、小さくてもおいしいのが特徴だ。
鱗は小さく取りやすい。骨はあまり硬くない。皮は厚くて強い。
透明感のある白身。淡白ななかに独特の風味がある。刺身でも、塩焼きでも、微かに川魚を思わせる香りが感じられる。鮮度がよければ、これがまことにいい。骨などからいいだしが出る。
注/生息場所によっては臭みのある個体がある。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
はくらの唐揚げ 3枚に下ろして皮を引いた「はくら(40〜50cm)」を唐揚げにしたもの。[千菜市 佐賀県鹿島市]
加工品・名産品
釣り情報
東京湾ではエビを使った船からの釣りが行われている。
また近年ではルアー釣りが盛んとなっている。
スズキの鰓洗いといってハリにかかると大きく口を開け、鰓蓋(えらぶた)を広げて首を振り、ときにジャンプする。このとき鰓蓋骨後縁が尖り、のこぎり状になっているのでしばしば釣り糸が切れる。これを「鰓洗い(えらあらい)」」という。
歴史・ことわざなど
出世魚
歳時記 俳句季語では「秋」。
故事 平清盛が伊勢から熊野に向かう海路、大きなスズキが船に飛び込んできた。吉事だというので自らも食い、家来にも食べさせて、その後出世した。
文献にみるスズキ
吸物わた吸物 婚礼の膳や引き出物に「すずきのわた吸物」。『鸚鵡籠中記』(朝日重章著 塚本学編注 岩波文庫)
養殖 〈本種は淡水を好む習性がある爲春季河口を遡上する幼魚を漁獲して之の池中養殖を行っている所がある。〉。現在も養殖されているが、その始まりは古いのかも知れない。『日本魚類圖説』(岡田彌一郎、内田惠太郎、松原喜代松 三省堂 初版1935)
地方名・市場名
サイズ / 時期若魚 参考『石巻の四季のさかな』(石巻魚市場株式会社) 場所宮城県石巻市石巻魚市場
参考島根県水産技術センター 場所島根県東部
サイズ / 時期約20cm~50cmまで 場所島根県西部、徳島県徳島市吉野川河口
サイズ / 時期50cm以上 場所徳島県吉野川河口
サイズ / 時期10cm前後 場所徳島県徳島市吉野川河口周辺
サイズ / 時期幼魚 参考文献 場所有明海
場所釣り人の間で
備考セイゴ→マタカア→オオマタ→コチウ→チウイオ→オオオチウ→オオモノ 参考文献 場所静岡県浜名湖
備考産卵で深みに落ちるのをハラブト。 場所腹太
マダカ サイズ / 時期中型
ナナイチ サイズ / 時期30cmくらい
備考【成長魚】小型をセイゴ。中型をマダカ。30cmくらいをナナイチ。 場所愛知県・宇津江
場所島根
場所佐賀県鹿島市
ハクラ サイズ / 時期約20cm~40cmまで
ハネ サイズ / 時期約40cm~60cmまで
ススキ サイズ / 時期60cm以上
備考【成長魚】佐賀県有明海周辺では約20cmまでをハクラコ、約40cmまでをハクラ、約60cmまでをハネ、60cm以上をススキ。 場所佐賀県有明海周辺
ハクラ サイズ / 時期15cm以下
デキ サイズ / 時期1歳魚・15cm~18cm
フッコ マダカ マタカ サイズ / 時期2歳~3歳・35cm前後
スズキ サイズ / 時期4歳魚以上・60cm以上
備考【成長魚】幼魚「コッパ」。15cm以下「ハクラ」。1歳魚・15cmから18cm「セイゴ・デキ」。2歳から3歳・35cm前後「ハネ・フッコ・マタカ・マダカ」。4歳魚以上・60cm以上を「スズキ」。
オオマタ ニュウドウ ユウドウ ヌリ
参考文献より。