コマイ
珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★ 美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区側棘鰭上目タラ目タラ科コマイ属
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外国名 | Saffron cod
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学名 | Eleginus gracilis (Tilesius, 1810)
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漢字・学名由来 | 漢字 粉馬以、氷下魚、氷魚 Komai Tilesius ヴィルヘルム・ゴットリーブ・ティレジウス(Wilhelm Gottlieb Tilesius von Tilenau 1769-1857)。ドイツの博物学者、探検家、医師。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。水深300m(通常100-150m)よりも浅い沿岸。汽水域。
北海道全沿岸、青森県〜宮城県の太平洋沿岸、青森県〜山口県の日本海沿岸。
朝鮮半島東岸北部〜沿海州、日本海北部〜サハリンを経てオホーツク海・千島列島・カムチャツカ半島、ベーリング海、チュクチ湾〜ビクトリア島・シベリア海南岸、アラスカ,シトカ島以西のアラスカ湾、北太平洋。
生態
産卵期は厳冬の1月〜3月。
岸近くで氷点下、氷点下近い水温で産卵する。
甲殻類、軟体類、小魚などをエサとしてとっている。
基本情報
非常に地域性の高い魚であるが、とても味のいい魚であり、もっと知名度が高くなるべきだと考えている。
日本海・東北太平洋側以北の北大西洋に生息する小型のタラだ。水揚げは圧倒的に北海道が多い。
北海道では厳冬期の氷下での漁が風物詩となっている。また真冬に行われる釣りの対象でもある。
北海道では庶民的な魚として親しまれている。
北海道以外では認知度が低い。関東などでは干ものが一般的で、鮮魚での流通もみられるが極めて少ない。
珍魚度 あくまでも消費地での話だが、漁期であっても鮮魚を手に入れるのは意外なほど難しい。あまり全国流通しないためだ。
水産基本情報
市場での評価 関東では主に干ものが流通する。少ないながら鮮魚も流通する。卵巣は単体で流通するが関東ではあまり見かけない。比較的安い。
漁法 定置網、底建て網、底曳き網
主な産地 北海道
選び方・食べ方・その他
選び方
鮮魚は関東では主に煮つけか、焼き物にしかならない。触って硬いもの。
味わい
旬は冬。
鱗は細かく取りやすい。皮は薄い。骨は柔らかい。
白身で熱を通しても硬く締まらない。
上品な味わいの白身魚である。干物は皮周辺に味があって、焼くといい風味が出る。
「こまい子(卵巣)」はスケトウダラと同等に味わい深い。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
これをじっくり焼き上げる。焼き上がったら熱々の内に背割りにして食べる。皮目の風味、身の甘さが楽しめ、小骨が弱いので食べやすい。
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
釣り情報
砂浜、防波堤から投げ釣り。港や汽水湖などに張った氷に穴をあけて釣る。
歴史・ことわざなど
季語は冬。
コマイ売り 釧路市でのこと。〈コマイは大きな箱に入れてソリに乗せ、赤い旗を立てて石油かんをたたいていた〉、〈弊舞橋を渡ると、たそがれのなかを「コーマイ、コーマイ、生きたコーマイのバッタバタ」と、山手の道の方から聞こえてきた〉。『ほっかいどう 味の風土記』(達本外喜治 北海道新聞社 1984)
地方名・市場名
参考日本魚名集覧 場所サハリンに在住していた日本人
備考語源はギリヤーク語もしくはアイヌ語だとして、「寒海」は当て字。 参考20200108木下、『ほっかいどう 味の風土記』(達本外喜治 北海道新聞社 1984)、『新 北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社) 場所北海道、青森県下北郡佐井村
備考マダラ、スケトウダラより小さいので、「こまいタラ」という市場人がいる。 場所関東などの市場
サイズ / 時期15cmくらいまでの小型 備考出世魚。ゴタッペ→コマイ→オオマイ。15cmくらいまでの小型魚をゴタッペ。 場所北海道厚岸町
サイズ / 時期25cmくらいまで 備考出世魚。ゴタッペ→コマイ→オオマイ。アイヌ語。 参考『新 北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社) 場所北海道厚岸町、東京など日本全国
サイズ / 時期25cm以上 備考出世魚。ゴタッペ→コマイ→オオマイ。 場所北海道厚岸
備考アイヌ語。 参考『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社) 場所北海道