ホッケ
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珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
食べ物としての重要度 | ★★★★ 重要 |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カジカ亜目アイナメ科ホッケ属
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外国名 | Okhotsk atka mackerel
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学名 | Pleurogrammus azonus (Jordan and Metz, 1913)
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漢字・学名由来 | 漢字 𩸽、北方 Hokke Jordan David Starr Jordan〈デイビッド・スター・ジョーダン(ジョルダン) 1851-1931 アメリカ〉。魚類学者。日本の魚類学の創始者とされる田中茂穂とスナイダーとの共著『日本魚類目録』を出版。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。水深100m前後の大陸棚。
北海道全沿岸、青森県〜山口県の日本海沿岸、青森県〜熊野灘の太平洋沿岸(東北以北に多い)。
朝鮮半島東岸中部から沿海地方をへてサハリン、オホーツク海南部、千島列島。
生態
産卵期は北海道では9月から12月中旬。産卵期には婚姻色をしたオスが縄張りを持ち、メスに求愛運動をし、岩礁域の窪みなど潮通しのよい場所(縄張り)に産卵させ、産卵後はオスが卵を保護する。
成魚は定着性が強いが、稚魚期には産卵場所の沿岸浅い海域にいて、しだいに沖合に移動する。水深100m前後と沿岸域を行き来してくらす。また大型になると大陸棚付近に定着する。
0歳の冬から夏にかけての体長4〜16cm頃は表層で生活し、日本海で北海道とロシアとの間に生息する。6月に北方海域に移動するときのを体色からアオボッケという。
0歳の夏から冬にかけて体長18〜22cmになって100m前後の大陸棚上で群れを作る、これをロウソクボッケ。
翌1歳の3月から6月頃に沿岸に接岸し、盛んにエサをとるものをハルボッケ。
生魚となり岩礁域に定着したものをネボッケ(根ボッケ)という。
基本情報
日本海、北日本、ロシアの沿岸域に生息している。比較的資源量は多く、水揚げ量も多い。
生まれて成長し、水揚げされるようになると、小さいものからアオボッケ(青ボッケ)→ロウソクボッケ(蝋燭ボッケ)、ハルボッケ(春ボッケ)→ネボッケ(根ボッケ)と成長とともに呼び名が変わり、値段が上昇するので典型的な出世魚だ。
1945年の敗戦までは産地のみで知られ、食べられていたようだ。戦後食糧難(1945年〜数年間)の時代に鮮度が非常に落ちた状態で配給されたために、まずいと思いこんでいる世代も多かった。それまで関東などではほとんど知られていなかったのが、これをきっかけとして知名度が上がったとも言える。
今やそれも遠い昔のことだ。鮮魚よりも干物(開き干し)の原料として重要で、根強い人気がある。ホッケの開き干しは、1970年代後半くらいまでは比較的ローカルなものだった。これが脂嗜好から人気が高まり、今日に至っている。もともとは庶民的なものであったが、近年国産ホッケを使ったものは高価なものとなっている。ロシアなどから輸入ものも「真ぼっけ」とされて決して安くはない。近縁種にキタノホッケ(シマホッケ)がいるが、こちらはロシアなどから大量に輸入されてホッケとして加工されている。スーパーなどではこちらの方が主役になっている。
鮮魚は少ないながら関東などに来ており、徐々に味の良さが認められてきている。
珍魚度 加工品はともかく鮮魚は消費地ではあまり馴染みがない。少ないながら入荷してくるのを待つか、日本海や太平洋側の東北以北で探さないと手に入らない。
水産基本情報
市場での評価 加工品で出回ることが多い。鮮魚は徐々に入荷が増えている。最近では活けしめにしたものもみる。値段は全般に安いが、1㎏以上は高い。
すり身加工では高級なもの。
漁法 刺し網、定置網、釣り(延縄)
産地 北海道、石川県、秋田県、青森県、新潟県
選び方・食べ方・その他
選び方
鮮度が落ちやすい。なるべくしっかりと硬いものを選ぶ。腹が柔らかいものもダメ。鰓の色合いも重要だ。さわってぬめっとした感触のものが脂がのっている。
また最近では活け締めにしたものの入荷をみる。これなど狙い目。
根ボッケという大型のものが北海道日本海側にいる。これは鮮魚でも干物でも非常に高価だ。
味わい
旬は春から夏。大きい方がうまい。1㎏を超えると通常では考えられないほどの味になる。
鱗は細かく取りにくい。皮は厚みがあり硬い。骨は軟らかい。
白身で鮮度がいいと透明感がある。脂は筋肉に混在する。
注意/アニサキスなど寄生虫のリスクがある。生食は自己責任で。
栄養
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危険性など
アニサキス(シュードテラノーバ)/袋形動物門線形動物綱回虫目ヘテロケイルス科アニサキス亜科。イルカ、クジラやアザラシなどの海棲哺乳類を終宿主とする。卵、幼虫は魚類、イカなどに寄生し、これを食べることで体内に入る。胃や腸の痛み、嘔吐感を引き起こす。
食べ方・料理法・作り方
水洗いして、開く。水分をていねいに取り、塩水に30〜40分つけこむ。脂の乗ったものは短いと塩が入っていかない。これを半日から1日干し上げる。
干ものなのでじっくり焼き上げるだけだが、脂ののった上物は中から出て来た脂が身を焦がして揚げ物のようになる。
この表面をめくると中は脂の中につかる柔らかい身で、半分液体めいている。濃厚なうまさが感じられて、御馳走そのものである。
好んで食べる地域・名物料理
ホッケのちゃんちゃん焼き 北海道でホッケを三枚に下ろして、野菜と鉄板で焼き、バター、加減味噌などであじつけする。ホットプレートなどを利用することが多い。
ホッケの三平汁 ホッケのぬか漬け、塩漬けを適当に切り、野菜などと汁にする。塩味の汁。
加工品・名産品
すり身 北海道などではホッケのすり身を比較的よく見かける。団子にしたり、蒲鉾(かまぼこ)にする。
釣り情報
北海道では防波堤(波止)から、船からもっとも手頃な釣りとして人気がある。
歴史・ことわざなど
ホッケはまずい 2023年の現在でもホッケを食べないという人がいる。第二次世界大戦の戦後を生きた人達で、特に1945年の敗戦後、ニシンとともに産地である北海道などで確保できたのがホッケである。国内の多くの消費地で馴染みのなかった魚で、産地で食べるととてもおいしい魚だが、貨物輸送で冷蔵用の貨車も確保できなかったので、消費地に来たときには非常に鮮度がわるかった。それで「ホッケはまずい」と言われ始める。現在でも当時を思って食べない人がいる。
農林水産局による国内の食料の統制は昭和16年(1941)に始まり、昭和23年7月(1948)から25年4月(1950)にかけて解除された。ニシンとともに大量に消費地に送り込まれたことで関東などではホッケを知ることになる。
地方名・市場名
サイズ / 時期成魚 備考春に沿岸域に近づいてくる個体。 場所北海道
参考文献 場所北海道、東北、秋田県象潟、新潟県下宿(現新潟市内だと考える)・佐渡・寺泊、東京都を初め全国的に
サイズ / 時期小型 参考青森県水産技術センター 場所北海道、青森県、秋田県にかほ市・男鹿
サイズ / 時期大型 参考文献 場所北海道室蘭
サイズ / 時期大型 参考聞取 場所北海道室蘭など
サイズ / 時期中型 参考文献 場所北海道室蘭市
場所富山県黒部
参考文献 場所島根県松江
参考文献 場所新潟県佐渡
備考春3月前後に旬を迎えたもの。秋田県にかほ市では赤味掛かっていて脂凄く最高においしい個体という意味。 参考青森県水産技術センター、松宝丸 場所青森県
場所岩手県
場所山形県鶴岡市由良漁港
サイズ / 時期幼魚 備考海域を移動するときの色から。 参考文献 場所北海道