202308/09掲載
福島県産活け締めスズキの刺身美味!
1尾だけだと思ったら買わざる終えない
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八王子綜合卸売協同組合、マル幸に活け締めもしくは活のスズキがあって、枯渇中の市場を見る限り、これしかないな? という気がしたが通り過ぎた。市場をぐるっと回って戻っていると1本だけになっていたので慌てて確保する。
水産業にとって今回の台風の影響は大きい。市場にあるのは養殖魚ばかりである。
さて、このスズキは生食以外の食べ方を模索するために買ったつもりである。だから特殊な下ろし方をして、焼く、煮る、ソテーする、蒸すと最初から用途別に切り分けていく。
料理を決めてスズキを分解していく
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さて、福島県産1.89kgは、下ろすと、生殖巣は膨らんでいないし、非常に脂が乗っている。時化のときの値段なので、普段よりも散財した分、がんばって取り返すつもりだ。
下ろしながらの刺身は味見のつもりだった。腹もを大きく切り取ったので、いびつになった腹側の部分を食べてみただけだ。
ところが、一切れ食べただけで、脳が幸福感に満たされるといった味だった。脂はあるし、何よりもうま味が豊かだ。アミノ酸が複雑に組み合わされて生まれた甘味も強く感じられる。
ちなみにスズキが江戸時代に東西を問わず、高級だったのは夏の貴重な白身だったということと、冷蔵庫のない時代に井戸水で活かしておけたからだ。江戸時代前期のかくれなき分限者の贅沢を、今どきの比較的貧しいボクが味わえているのだな、なんて思ってしまったのは、『日本永代蔵』の世界に浸っているためだ。