キツネベラ

キツネベラの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
体長55cm前後になる。背鰭棘は12、背鰭棘前半皮膜が黒い。胸鰭に黒色の部分がない。背鰭基部に3列以上の鱗がある。体側後半、背の部分に黒色の斑紋があるが雄は薄い。[28cm SL ・0.48kg]
体長55cm前後になる。背鰭棘は12、背鰭棘前半皮膜が黒い。胸鰭に黒色の部分がない。背鰭基部に3列以上の鱗がある。体側後半、背の部分に黒色の斑紋があるが雄は薄い。[雄 38cm SL ・1.539kg]
体長55cm前後になる。背鰭棘は12、背鰭棘前半皮膜が黒い。胸鰭に黒色の部分がない。背鰭基部に3列以上の鱗がある。体側後半、背の部分に黒色の斑紋があるが雄は薄い。[雄29cm SL ・0.626g]
背鰭基部に3列以上の鱗がある。体側後半、背の部分に黒色の斑紋があるが雄は薄い。[雄]
側へんするが厚みがある。
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ベラ亜目ベラ科タキベラ属
外国名
Tarry hogfish
学名
Bodianus bilunulatus (Lacepède, 1802)
漢字・学名由来
漢字/狐倍良 Kitunebera
由来・語源/『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)ではキツネベラとなっている。ただ『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)では現標準和名キツネダイを「キツネベラ」と改名としている。このあたりの混乱の意味がわからない。
英名/Tarry hogfish 体にタールを塗ったような模様のあるブタを思わせる魚という意味。


狐顔・狐色 頭部が尖っている様がイヌ科キツネを思わせるから。また『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)には〈体(旧字を新字にした)は黄色で〉とある。これは明らかに幼魚の特徴である。本種の幼魚の体色が黄色であること、狐の体色が同じであることから名づけたのではないかと思う。
Lacepède
Bernard Germain Lacepède(ベルナール・ジェルマン・ド・ラセペード 1756-1825 博物学者、音楽家。フランス)はビュフォン(Georges-Louis Leclerc de Buffon 博物学者。リンネとは違った配列を試みた)の後継者。
地方名・市場名
アカデー
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協 
カス カスクラー
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島 
モハン
場所鹿児島県鹿児島市 

概要

生息域

海水魚。岩礁域、サンゴ礁域。
八丈島、小笠原諸島、火山列島、静岡県富戸〜高知県柏島、[愛媛県宇和島]の太平洋沿岸、熊本県天草、屋久島、琉球列島。
朝鮮半島南岸、台湾、福建省、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島、インド-西太平洋(オーストラリア北岸・東岸をのぞく)。

生態

基本情報

珍しい魚だと思われる。
タキベラ属はおしなべて味がいいので、鹿児島県、沖縄県では種を認識しないで食べているものと思われる。

水産基本情報

市場での評価/関東では一度も見ていない。
漁法/釣り
産地/鹿児島県

選び方・食べ方・その他

選び方

退色していないもの。触って張りのあるもの。鰓が赤いもの。

味わい

旬は不明。
鱗は薄く大きく手で取ることができる。皮は厚みがあり、強い。骨はやや硬い。
透明感のある少し軟らかい白身で、熱を通しても硬く締まらない。

料理の方向性
少し軟らかいが非常に上質の白身。熱を通しても硬く締まらないのでソテーや塩焼きにしてもいい。特に塩焼きは予想外のうまさだ。生食は上品で淡泊なので刺身よりも皮を生かして美味。カルパッチョやセビチェなどがうまい。皮、あらなどから実にうま味の強いだしが出て、煮ても硬く締まらないので汁、煮つけにしてもおいしい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

生食(カルパッチョ、セビチェ、皮霜造り)、汁(潮汁、みそ汁)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き)、揚げる(唐揚げ)、ソテー(ポワレ)
キツネベラのカルパッチョ 三枚に下ろして、皮を引く。できるだけ薄くへぎ切る。皿ににんにくの切り口をなすりつけ、オリーブオイルを加えるか、すり下ろしたにんにくをオリーブオイルで溶くかして香りづけ。塩コショウして、薄切りにした身を貼り付けていく。貼り付け終わったらスプーンなどでとんとんとたたいて馴染ませる。上には何をのせてもいい。今回はキャビアライムを中心に香りや苦みのある野菜を散らした。ここに振り塩をしてオリーブオイルをかけ回す。

キツネベラの皮霜造り 三枚に下ろしてゆを皮目にかけて氷水に落とす。よく水分をきり、冷蔵庫などで少し寝かせる。これを切りつけたもの。皮目の甘味とゼラチン質のうま味。身の甘さが堪能できる。焼霜造りにしてもうまい。
キツネベラのセビチェ(セビーチェ) ラテンアメリカやスペインなどで作られている魚のマリネーだ。三枚に下ろして刺身にならない腹の部分などをやや細かく切る。塩をまぶしておき、ライムを搾り込む。ここに紫玉ねぎやベルエシャロット、辛い青唐辛子などを刻んで和える。少し寝かせてから食べる。テキーラなどスピリッツがよく合う。
キツネベラの煮つけ 水洗いして、熱湯をくぐらせて冷水に落とす。鱗などを取り、よく水をきる。鍋に酒と水、本種を入れて火をつける。アクを取りながら塩と薄口しょうゆで味つけ。甘味が欲しかったらみりんを加える。味つけはあくまでも淡い方がいい。皮が実にうまい。また煮汁のうまさも抜群である。
キツネベラのムニエル 水洗いして三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。塩コショウして小麦粉をまぶして多めの油でじっくりソテー、仕上げにバター(マーガリン)で風味づけする。皮目は香ばしく、身は柔らかく豊潤。淡泊な味わいにバターの風味がいきる。
キツネベラのポワレ 三枚に下ろして皮付きのまま塩コショウする。少し寝かせて、多めのオリーブオイルでソテーする。ここにニンニク風味をつけてもいい。じっくりとソテーして皮目に焼き目がついたら返して、仕上げる。身は一度取りだし、フライパンにドライシェリーと白ワインを加えてデグラッセし、ここに塩コショウで加減する。これをソースにして皿に盛る。ローズマリーやタイム、アニスシードなどで香りをつけてもいい。
キツネベラの唐揚げ かまの部分や中落ちに片栗粉(小麦粉などでも可)をまぶしておく。少し置き、低温でまずじっくりと揚げ、一度取り出して強火で揚げる。身はふっくらと皮目香ばしく揚がり、非常にうまい。
キツネベラの塩焼き 水洗いして振り塩をする。1時間以上置き、じっくりと焼き上げる。皮目にも身にも甘みがあって、硬く締まらず豊潤に仕上がる。単にこのまま食べても非常にうまいが、オリーブオイルとバルサミコ酢(シェリー酢やモルトビネガーでも)をふって食べるとまた別種の味わいになる。
キツネベラの魚汁(みそ汁) 沖縄風にあらなどを水(昆布だしでも)で煮て、みそを溶く。青みはなんでもいい。とても味わい深いだしがでて、身離れがよく皮や身にも甘みがある。ご飯にとても好相性。薬味はコーレーグスがいい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど