ツムブリ

ツムブリの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
1m SLを超える。細長く第一背鰭と第二背鰭の間を中心に前身と後身が同じくらいの長さ。頭が小さい。稜鱗(ぜんご)がなく尾鰭の前に離鰭がある。[8月29日の個体]
1m SLを超える。細長く第一背鰭と第二背鰭の間を中心に前身と後身が同じくらいの長さ。頭が小さい。稜鱗(ぜんご)がなく尾鰭の前に離鰭がある。[9月20日の個体]
1m SLを超える。細長く第一背鰭と第二背鰭の間を中心に前身と後身が同じくらいの長さ。頭が小さい。稜鱗(ぜんご)がなく尾鰭の前に離鰭がある。[11月09日の個体]
1m SLを超える。細長く第一背鰭と第二背鰭の間を中心に前身と後身が同じくらいの長さ。頭が小さい。稜鱗(ぜんご)がなく尾鰭の前に離鰭がある。
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科ツムブリ属
外国名
Rainbow runner, Fr/Comète saumon, Sp/ Macarela salmón 雙帶鰺、海草、拉侖、拉崙・柴魚・青甘(澎湖諸島)
学名
Elagatis bipinnulata (Quoy and Gaimard, 1824)
漢字・学名由来

漢字/紡錘鰤、頭鰤 Tumuburi
由来・語源/神奈川県江ノ島での呼び名。
■頭部が丸くて尖っているのを「紡錘(ぼうすい)」になぞらえたものか。「紡」とは「つむ」と読み、織物などで糸を巻いておく芯。これに糸を巻いた形ににているため。
■「頭(つぶり)」の丸いことに由来して、「つぶり→つむぶり→つむぶり」に転訛。

地方名・市場名 地方名・市場名は下部にあります。クリックでジャンプします。

概要

生息域

海水魚。南日本。沖合〜沿岸の表層。
[北海道紋別市定置網]、青森県〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、青森県下北半島牛滝〜屋久島の太平洋沿岸、伊豆諸島〜小笠原諸島、琉球列島、南大東島。
千島列島南部の太平洋沿岸、朝鮮半島、済州島、南シナ海全域、台湾、全世界の温帯・熱帯域。

生態

基本情報

世界中の暖かい海域にいる魚で、比較的沖合の表層域を回遊し、定置網や釣りで漁獲される。ブリに似た形で、身に赤みがあるためと、流通する量が少ないために、流通上は安い。
夏や春の小振りのものは淡泊で味がないが、秋から冬には脂がのって非常に美味である。旬のツムブリは魚類中トップクラスの味で、関東での評価の低さが信じられないほどである。

水産基本情報

市場での評価 近年関東でも入荷量が増えてきている。また産地も鹿児島県だけではなく北上傾向にある。徐々に高値をつけ始めている。
漁法 釣り、定置網
主な産地 鹿児島県、宮崎県、和歌山県、三重県

選び方・食べ方・その他

選び方

脂ののりは大きいもので体高(太っている)があるものを選ぶ。鮮度は縦縞の青、黄、赤などの色が残っているもの。鰓が鮮紅色で目が澄んでいるもの。体を触って硬いもの。

味わい

旬は九州北部、本州での旬は秋から冬。
大きいほど味がいい。
鱗は小さく取りにくい。皮は厚くしっかりして硬い。骨はあまり硬くない。
赤みがかった白身で熱を通すと縮むことが多い。
あらなどからいいだしが出る。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ツムブリの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身)、煮る(煮つけ、塩ゆで)、汁(みそ汁、潮汁)、焼く(塩焼き、みそ漬け、塩物)、揚げる(フライ、唐揚げ)、ソテー(ステーキ)
ツムブリの刺身(腹身) できるだけ大型のものを選ぶと、秋から冬になって海水温が冷たくなるにつれて脂がのってくるようだ。脂のない身は赤く、寒くなるにつれ身に脂が混在して透明感がなくなり、赤さが弱くなる。腹の部分は食感が強く、脂の強い甘味とうま味があってたまらなく味がいい。

ツムブリの刺身(背) 旬の大型の刺身は背を食べても腹の部分を食べても最上級の味わいだ。ただし非常に味が違っている。背の方はブリの身質に近く、ほんのりとして酸味があり、後味も軽い。イヤミのない味である。
ツムブリのカルパッチョ 時季をはずした脂のないものや小型魚でもいい。三枚に下ろして血合い骨・腹骨を取る。皮を引きできるだけ薄く切る。これをにんにく・オリーブオイル、塩を敷いた皿に並べる。スプーンなどでとんとんとたたき馴染ませて、好みの野菜・果物などを飾り、上からもオリーブオイルを振る。好みでコショウ、辛い唐辛子などを使うといい。
ツムブリのポキ(ポケ) もともとはハワイの料理だったが、今ではミクロネシアなど多くの国で作られている。水洗いして三枚に下ろし、皮を引く。刺身などにした余りでもいいし、尾に近い硬い部分でもいい。できるだけ細かく切り、醤油・ごま油で和える。ねぎ、トマト、パセリやセロリなどお好みの野菜を合わせる。
ツムブリの煮つけ 大振りのツムブリを切り身にして、甘辛くおかず用に煮つけたもの。味つけは酒、砂糖、しょうゆだが、酒、塩でも酒、みりん、しょうゆでも好みとシチュエーションで使い分けるといい。煮ても硬くならず身自体にうま味があり、実にうまい。ご飯にも合う。
ツムブリ大根 あらなどから非常にうま味のあるだしが出て。また付着している皮や身がとても味わい深い。大根は白水のなかで下煮して置く、ツムブリのあらは湯に通して冷水に落とし、鱗や血液などを流す。これを酒、少量の砂糖で味つけした地で煮ていく。煮加減は好みで。骨まで軟らかく煮ても、うまいし、大根などが少々硬いくらいも味わい深い。
ツムブリのあらと内臓の塩ゆで(塩煮) あらと内臓はさっと湯にくぐらせて冷水に取り、鱗や血液を洗い流す。水分をよく切り、やや飲むと塩辛い塩水でゆであげる。皮や身をせせる。肝や食感のいい胃袋などを食べるなど、いろんな味わいが楽しめる。
ツムブリのフライ 小振りのものが向いている。大振りのものは背の部分を使うといい。揚げても硬く締まらず、身がジューシーに柔らかく揚がる。サクサクしたパン粉の香ばしさとクセのない甘味のある白身が相まってとてもおいしい。
ツムブリのステーキ 大型のツムブリを切り身にして塩コショウ、小麦粉をまぶしてじっくりとソテーする。ツムブリの切り身を一度取りだし、ガスの火を消す。フライパンにみりん、少量の砂糖、山椒少々を加えて少し煮つめる。仕上げにゆずを絞り込みソースにする。飾りの野菜などはお好みで。ご飯がすすみ過ぎるおかずだ。
ツムブリの塩焼き 小振りのものは焼きものにはあまり向いているとは思えない。大きくて脂ののったものは、塩焼きにして最上級の味。内側から染み出してくる脂で表面が揚げたように香ばしくあがり、非常にうまい。
塩ツムブリ(塩物) 水洗いして三枚に下ろす。切身にしバットなどに並べて全面に非常に強い塩をする。これを半日くらいごとにひっくり返す。2日くらいで塩が馴染んでくるが、できれば1週間くらい続ける。水分をよくきり、焼き上げる。切身に塩が十分馴染み、適度に身が締まる。塩分濃度が濃いのでご飯がすすむ。お茶漬けにしてもおいしい。
ツムブリのみそ汁 刺身の切り落としや肝や胃袋、あらなどを集めて湯通しし、冷水に落として鱗や血液などを取り、水気をきる。これを水(昆布だしでも)から煮出してみそを溶く。うま味の強い汁で、煮たあらに甘味とまったりした脂が感じられてとてもうまい。
ツムブリの潮汁 ツムブリのあらを湯通しして冷水に落とし、鱗や血液、ぬめりなどを洗い流す。水分をよく切り、昆布だし(水でも可)で煮て酒と塩で味つけしたもの。腹部の脂のある部分がとろっと口の中でとろけるような味になる。汁自体にもうま味があってとても味わい深い。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

沖合でのルアー釣りなどで狙う。

歴史・ことわざなど

■アジ科ではあるがブリ属ではない。

地方名・市場名

オキブリ
参考文献 場所三重県二木島、和歌山県太地・辰ヶ浜 
ミヤコガエリノキンスイ[都帰りのきんすい] キンスイ
備考京(京都)の「きんすい楼」という料理屋に送ったが、このような魚は食べられないと返された、との言い伝えから。 参考林一兵衛さん 場所三重県志摩市 
オキイナダ
参考日比野友亮さん/和具の方言 場所三重県志摩市和具町 
オモカジ
参考文献 場所和歌山県太地・辰ヶ浜 
マルバマチ
参考文献 場所和歌山県白崎 
ナガイユ
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協 
ツムブリ
参考林一兵衛さん、文献 場所神奈川県江ノ島、三重県志摩市大王町 
ウマンマラ
サイズ / 時期小型 参考静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分場 場所静岡県伊豆田子 
キツネ ハマチ
参考文献 場所高知 
オムロ
参考文献 場所高知県須崎 
ウメキチ
参考文献 場所鹿児島 
ヤマトナガ
参考奄美漁業協同組合 場所鹿児島県奄美大島 
トカキン オモカジマワシ ユダ ユラ
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島 
アオウンジョ トリカジ
場所徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』 
イダ
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所愛媛県愛南町城辺、高知県柏島・宿毛市田ノ浦すくも湾漁協、鹿児島県種子島 
ダンゴブリ
場所三重県尾鷲市 
ナミクグリ[波潜]
場所京都府宮津市・伊根町新井崎漁港 
メナダ
備考ブリの幼魚イナダに対してメナダという。 場所神奈川県真鶴・静岡県沼津市 
メキチ
場所鹿児島県南さつま市笠沙 
ヤマトナガイユ
参考文献 場所沖縄県