五月も終わりのイシガレイの刺身
江戸っ子が愛した味で江戸前と行きたいが、宮城県産

イシガレイの刺身
活魚とはいえ、5月の宮城県産のイシガレイは微妙である。
イシガレイは産卵期が長いのでマコガレイなどと比べて旬がはっきりしない。
時季を読むのが難しい。
慎重に選んで、よしと見て買い求めた。
実際下ろしてみると脂がある。
カレイ科の魚の脂はのっているときでもべったりではなく、指についてもさらりとしている。
しかもまだ身がしまっていない。
あまりにも新しすぎるので、下ろして夕方まで寝かせた。
後は薄めに刺身に引くだけである。
食べてみて、はやりイシガレイは活魚に限ると思った。
食感がよく、それだけでおいしく思える。
その後から来るうま味も豊かである。
こくがあるのは脂があるためだと思う。
カレイ目にはスダチが合うので、買っておいたのも正解だった。
醤油・わさびもいいけど、塩・すだちもいい。
今季初イシガレイに初夏を感ず、だ。
イシガレイはあまり一般的ではなく、食べたことがある人はとても少ないと思う。
ただマコガレイと比べるとお買い得なので、活魚を見つけたらぜひ刺身をお試し願いたい。
時化後の市場にぽつんとイシガレイの活が

イシガレイ
5月29日、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産の店頭は寂しい限りだった。納めの養殖魚はあるけれど、これといってめぼしい物はない。まあ定番のマアジやマイワシはあるにはあった。
ボクは、この、ないときはない、というのが好きだ。
季節を感じることができるし、海が荒れていたんだなとか思える、それがいい。
安定的に魚を提供したいといった、さる業界の人間を見た事があるが、君は地球上に棲む妖怪とか鬼の類いです、と、つぶやいてしまった。
ないときは我慢するのが自然に優しいのだ。
クマゴロウがボクを脇に呼んで、「これ持ってけ−」と指さしたのが、宮城県産だろうな、というイシガレイだった。
体長36cm・1㎏ なのでイシガレイとしてはあまり大きい方とは言えない。
これをいろいろ料理したが、まずは刺身。
五枚に下ろして皮を引き、活魚で非常に身が硬かったので薄めに引いた。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。