チダイの塩焼きなど簡単だ、と思え

塩焼きは見た目は上等、なので日常的にどんどん作ろうぜ


魚料理は簡単だと思うべし、じゃないかと思っている。難しく考えないことじゃないかな、とも思っている。
塩焼きなどにする魚は一般の方はできるだけ魚屋やスーパーで下ごしらえをしてもらい、帰宅したらすぐに塩をしてしまって、そのまま保存。食べたいときに焼けばいいと思う。
昔は親切な魚屋さんで振り塩をしてくれるところがあった。あれはとてもよかったのだけど、今、そんなことをやってくれる店あるかな。
焼き方はコツがいるが焦がさないように焼けば、ほどほどおいしく作れる。

今回のチダイはご飯を食べる30分くらい前にガス台のグリル(予め熱しておく)に入れる。
最初は焼き具合をつきっきりで見ながら強火で表面を短時間焼く。
今度は火を最小限にして中まで火を通す。
終いに再度強火にして焼き上げる。
弱火の時間に他の料理とか、用事を済ませばいい。
皿に盛る場合、決まり事を作るのが好きな人は決め事通りにやればいいが、できれば自分の美意識で自由に方向を決めて欲しい。
写真は単にきれいな方を上に向けただけ。
家庭では方向を決めて焼くのは難しい。

さて、今回は焼き上がりを撮影したまではよかったのだけど、部屋のメンテナンスがある日だというのを忘れていた。ので、そのまま1時間以上放置することになってしまった。
がっかりして冷めた昼ご飯の前に再度座ったら、意外にもこの冷めた塩焼きがうまい! ではないか。
箸など放り出して、手つかみで食べてしまって、ご飯を取り残してしまった。

タイ科の魚は焼くと俄然うまくなる。
皮目の香ばしさだけで飯が食える。
その皮は食べると香り以上に強いうま味があり、チダイはこの時季脂が乗っているので、その真下に液化した脂がある。
今回改めて気づいたのはこの液化した脂が再度固まるといい味になるということだ。
身質がよく身離れがいいのも素晴らしい。
さて、くどいようだが、熱々を食べるとおいしいのだけど、むしろ冷めてから食べた方が味わい深く、しかも塩焼きのうま味がぐんと増すのである。
熱々、冷め冷め、どっちゃでも好みの問題だと思うけど、邪魔者が入って、よかったかも。

入合という流通形態がある。これが安くてうれしいのだ


八王子綜合卸売センター、福泉に新潟県佐渡から入合(いろんな魚を1箱に入れたもの。今回はホウボウ、カナガシラ、チダイ、ウッカリカサゴ、イズカサゴ)がきていた。
中からウッカリカサゴ、イズカサゴ、チダイを抜く。
入合は正箱(1種類の魚を1箱にしたもの)よりも安くてお得なのだ。
持ち帰り、撮影準備をして撮影。
すぐに水洗いする。
ずぼ抜きにする(口から箸などを入れて内臓を取り出す)。
水分をよくきり、振り塩をして密閉して保存する。
注/海の魚は淡水魚と比べると体の塩分濃度が濃い。振り塩をして時間が立たないと、塩分が身に入って行かない。振り塩をして保存して置くと保存性も高くなるし、冷凍しても劣化が進まない。
翌日、焼き上げる。


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