太平洋青森県沖イナダ、素晴らしい 1 刺身
まさか、この一皿が160円くらいなんて思えないだろう
盛り付けた刺身の皿の周りにいろんな調味料を並べて食べた。
そのほぼ総ての調味料に出番がなかった。
刺身にすだちをちょっと搾り込んで、わさび・醤油で十二分にうまかったからだ。
最近、神奈川県小田原でもイナダの価値が上がっているが、こんな素晴らしいイナダが青森県沖から来るなら、若いブリの価値の底上げがかなうかも知れない。
もちろん脂があるわけではないが、身に張りがあり、舌触りがいい。
ほんのわずかな酸味があり、なによりもブリの若い衆らしい旺盛な生命力からの味がある。
1切れ口に入れると、強い満足感が得られる。
税別298円の4分の1が1人前なので、超お買い得ともいえるだろう。
おいしいものは高いとは限らない、よい例である。
イナダは安いし、うまいし、近所で手に入るし
ヒトと水産生物の関わりを調べているので、いちばん大切なのは平凡であることだ。通とか、グルメになったら調べるという行為を放棄して、科学的目をなくして無知になることなので、平凡であることがボクには重要なのだ。
だから重要なフィールドワークの場である近所のスーパーには必ず定期的に行っている。
最近、関東周辺のスーパーはとてもがんばっている。
見る目があればそのがんばりがわかるはずだ。
さて、近所のスーパー2軒に太平洋青森県沖のイナダがあった。当然巻き網ものだろう。
冊の長さからすると体長40cm前後ではないか。
ブリの成魚ブリサイズ(1m前後)がオホーツク海で揚がるのは遊泳力が強いし、索餌回遊(エサを求めての回遊)で北に向かうのは当たり前だが、同じ索餌回遊でも青森県沖でイナダ(体長40〜50cm前後)が揚がるのは意味合いが違っている気がする。
このブリの成魚ではなく、若い個体が北で揚がるのは温暖化がより進んでいる証拠だと思うからだ。
もっと遊泳力の弱いワカシサイズ(20cm前後)がもしも青森・北海道で揚がると、産卵場が北に移動していることになる。
産卵場に関してはここでは深く触れないが、青森県沖のイナダには思うことが多い。
さて、近所のスーパーで買った青森県沖のイナダは鮮度がよく素晴らしいものだった。
冊なのでそのまま、半分を刺身に切る。
わさび・醤油、酢みそ、ごま油・にんにく・塩、コチュジャン酢、などを揃えたが、単純にわさび・醤油でよかった。