銭州のサメのおこぼれマダイを食べる4、兜焼き
真に頭だけなのにとうてい食べきれない
でっかいマダイの頭で兜煮、竜田揚げ、潮汁と作った。
兜煮の反対側は素直に塩焼きにして目の前にある。
ただでもらったマダイでいったい何種類料理を作るんじゃい!? と声が飛んできそうだ。
その上、この主鰓蓋骨(鰓蓋)から前の部分だけの塩焼き、身がたっぷり過ぎたので二回に分けて食べた。
兜焼きは酒の肴には多すぎると思う
熱いうちに、あつつつつといいながらバラバラにする。
群馬県の「妙義山」の肴にして楽しんだまではよかったが、一度に食べきれなかった。
ばらばらにすると主鰓蓋骨下の身がころりんこと飛び出してきた。
これだけでも食べでがある。
しかも適度に繊維質で心地よくほぐれ、豊かなうま味で舌を飽きさせない。
ただし酒の肴にはボリュームがありすぎた。
だいたいめちゃくちゃでござりまする、というくらいうまい皮だけで酒が飲める。
しかも、とりわけ分厚い、妖艶な唇の、妖艶なうまさにびっくりした。
まるで京マチ子や、と思ったものだ。
念のために、京マチ子は1924年大阪生まれ。戦後の映画全盛期を彩った肉体派の大女優である。ポテチン。
ということで残りは翌日に持ち越し。
頭だけで3㎏もあるので何作ろうと考えて、考えて
八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが銭州で、やったー! 釣れた、と思ったらサメにがぶり、とやられたタイではなく、これぞまさしく半タイである。
半タイなのに重さ3㎏弱もある。いったいどないな大きさやねん、と思わないではいられない。
それにしてもサメだってかなりドでかいに違いない、が種類は不明だ。
釣り師の天敵、サメのおこぼれをいただいて、喜んでいるボクも変だけど、これをうれしそうに持って帰ってくるクマゴロウだって変だ。
変だけどありがとう!
兜だけなのにひと抱えもある。持って帰るのも大変だった。
以上は前前前前回書いた。
兜の左側は塩をまぶして密閉して2日寝かせる。
水分をよく拭き取り、弱火で40分ほどかけて焼き上げる。
残念ながら一般家庭なので少々焦がしてしまったが、味には影響なし、だ。