マダコ北上中で「煮だこ」も北上中
岩手県産マダコの「煮だこ」のビックリウマスギ!
「煮だこ(ゆでだこ)」は口に含んだときによしあしがわかる。独特の小豆を煮たときのような香りがあり、強い食感とともに味が広がってくる。
タコの味は表現するのが難しいけど、例えば国産マダコの「煮だこ」のよさは、口の中での滞在時間が長い食べ物なのだが、その間、延々と味が消え去らない。
今回の「煮だこ」は岩手県北三陸(久慈市周辺)で、国内産マダコならではの風味とうま味、強い食感ともに申し分のないものである。
1尾丸ごと買って少しずつ食べているが、毎日食べても飽きが来ない。
「煮だこ」の良し悪しは、マダコ自体の良し悪しもあるが、ゆで方の良し悪しで味が決まる。
岩手県産「煮だこ」はゆで方がうまいのだ。
この色を見ただけで上物だとわかる
八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で北三陸産の「煮だこ」を買う。
北三陸とは、岩手県でも最北、久慈市周辺のことだ。
マダコは本州太平洋側に生息域をもち、過去には青森県産も見ている。
それでは岩手県産は珍しくないだろう、と言われるかもしれないが、これが5、6年前なら珍しくて、最近では当たり前のものとなっているのだ。
本来、東北太平洋側で作られる「煮だこ」はヤナギダコかミズダコが材料である。
マダコの「煮だこ」は希に作ったとしても出荷には至らなかったのではないか? それが今や東北岩手県・宮城県・福島県のマダコの「煮だこ」は至って普通になっている。
最初に見たのは2020年頃の豊洲市場だったはず。仲卸が産地を間違えたのだろうと思って通り過ぎている。
マダコは日本海には少なく、東北以南の太平洋沿岸と九州全域で漁獲されていた。そのほとんどが関東以南だったはずだ。
その九州や瀬戸内海のものが減少傾向にあって、徐々に市場では東北太平洋側が多くなっている。
宮城県気仙沼など競り場にならぶ活けダコは、本来あまりとれなかったマダコばかりだったりする。
この殺人的な猛暑にも急激な温暖化を感じるが、漁業対象総ての生物にも急速な温暖化を感じて恐怖感をおぼえる。
食べたらおいしいのだけれど……。