クサヤモロの旬は過ぎたかなっ、と「みそたたき」
暑気払いに濃厚な「みそたたき」
たっぷりのにんにくなどなどに、みそ多めと、ちょっとやりすぎな「みそたたき(なめろう)」の一箸がとても強い味である。
それでも何か足りない、ということでにんにくを1かけ追加したのが大正解。
塩気とにんにくを体がやたら欲しているのだ。
これじゃー、主役のクサヤモロがかわいそうだろ、と思ったら、意外にクサヤモロの味がしっかり浮き上がってくる。
やはり背の青い魚のうま味は豊かで、ちょっとやそっとでは調味料や野菜の味に負けることがない。
少しだけ入れた青唐辛子のぴりってのもいい。
合わせたのは沖縄のオリオンビール2缶、熱さ、暑さよ、去れ。
見た目はいいが、脂はない夏のクサヤモロ
八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが銭州で釣り上げてきたクサヤモロ(一般にムロアジで、伊豆諸島に多く、「くさや」の原料として有名)は体長35cm・580gの大型であった。
鮮度抜群ながら、まん丸い体が硬い。表面にぬめぬめ感がない。
明らかに脂がないなと思ったので、買った。
これも水産物を調べている限り避けて通れないことなのだ。
水洗いして三枚に下ろし、食べてみると味はいいけれど、脂が作り出す味の奥深さがない。
やはり伊豆諸島のクサヤモロの、鮮魚としての旬は春から初夏で、7月になったら脂が抜ける。
迷うことなく「みそたたき(なめろう)」にする。
三枚下ろしにして腹骨・血合い骨を取り、皮を引く。
細かく切り、みそ多め、にんにく大3かけ、青じそ、みょうが、ねぎ、青唐辛子を加えてよく切れる包丁でたたく、これでもかっ、と執念深くとたたく。