今季初瓶ウニは青森県大間産

どんな瓶でも瓶は瓶、中身が大事なのだ


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に青森県産瓶入りの生ウニがきていた。
岩手県などの牛乳瓶入りが有名だけど、瓶の形なんてボクにはどうでもええことなので、この広島県のふりかけが入っているような瓶でも瓶は瓶なのよと思っている。
ときどき生ウニは「牛乳瓶入りが好き」と言う人に出会うことがあるが、牛乳瓶に惹かれて買うのは止めようよ、といいたい。ようするに瓶に密閉するのでミョウバンがいらないわけで、苦味のない剥き立ての味が楽しめるウニが好き、と言って欲しい。
とりたててウニ好きというわけではないが、ときどき無性にウニが食べたくなるときがある。だいたい初夏というか最高気温が25度超えの、夏日が増えると食べたくなる。
瓶入り仲卸価格でだいたい3000円前後でその年の好不漁で値が上下する。
1瓶で180gも入っているので、高級すし店の1かんの値段だと思うと安いものだ。
最近、そのまま生でとか、ご飯に乗せてというのも好きだけど、ちょっと変わった食べ方に執着している。

スプーン1すくいに醤油1滴でいい


ただし、まずは生でそのまま食べる。
キタムラサキウニの特徴は味わいが軽くあっさりしているところである。
最近、ボクは塩分が苦手なので、スプーン1すくいにほんの1滴だけ醤油を落として食べているが、おいしさは延々続く割りに淡い味である。
別にエゾバフンウニが嫌いではなく、ともに持ち味があって、それぞれに好きと言っておきたいが、並んでいると黄色い方に手が伸びる。
ちなみにウニは最低でも1人前50g以上食べたい。

いろんな物質ゆらいで甘いと感じさせてくれる、その甘さが命


ご飯に乗せたら、ご飯の甘味と、キタムラサキウニの淡いけど長続きする甘味ともつれあい、幻想交響曲のような感じになる。
これだけはどんなにおいしくてももう一杯とはならないのは、ウニのうま味で腹が満たされるためだろう。

100g以上の生ウニをべっとりと乗せて焼き上げる


さて、最近の食べ方はじゃがいもと一緒に焼く、なのだ。
じゃがいもは出来れば味のあるメークインで、少し芯が残るくらいゆでて冷ましておく。
皮を剥いて薄くスライスする。
パンに薄らと油を敷き、じゃがいもを並べて、その上にウニを乗せる。
あとは焦がさないようにつきっきりで焼き上げる。
ウニとメークインほど相思相愛の食材はないと思う。
少し前までわざわざジャガイモを生クリームと合わせてペースト状にしていたが、そのまんまスライスした方がうまい。
ついでに飾りもいらぬ。
この焼いた香り自体が御馳走だと思うし、焼いたウニのほこほこ感、じゃらいものほこほこ感がたまらぬ。
思わず冷蔵庫からシャブリーを出して、口の中の騒ぎを鎮める次第とあいなる。


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