今季初イワガキは宮崎県延岡産

養殖イワガキのよさはほどよい大きさときれいであることだ


東京都東久留米市、東久留米卸売市場協同組合は市場の建物が新しく、鮮魚、野菜、乾物、惣菜などとても多彩だ。埼玉に近いせいか、お茶の店が多いのも特徴だろう。
鮮魚は2店舗しかないが、規模が大きく、多彩な水産物を並べている。そのひとつ、東京北魚は足立市場に本部がある大型店である。
荷の産地も多彩で、八王子で見られない荷主(産地仲買で出荷してくる業者)も少なくなかった。
ここで今季初めてのイワガキを買った。宮崎県延岡産である。
宮崎県は三重県伊勢湾側とともにもっとも出荷時期が早い。
延岡市には流れ込む河川が多く、しかも海岸線が入り組んでいる。意外に知られていないが、魚介類が非常に多彩なところでもある。
ちなみに今や3倍体が当たり前なので、マガキは年がら年中流通しているが、ボクは信条として、10月〜3月いっぱいまではマガキ、4月〜8月くらいまではイワガキとしている。カキ類を食べない時季があるのも、非常に好ましいことだと考えている。
貝殻に余分な生き物が付着しておらず、きれいだということは養殖されたものだ。
殻長11.5mmはボク好みのサイズだ。イワガキは大きいほど高いが、大きいものがうまいわけではない。しかもその重さに正比例して可食部は大きくならない。

4月初旬なのに非常に豊かな肢体をしている


さて、4月初旬の宮崎県産イワガキは可食部分である、軟体がぼってりと太っていた。触ったことはないけど、太地喜和子(だれも知らないだろうけど)のほっぺみたいだ。
ごく微かに青銅色が感じられ、乳白色で、ひもの部分に丸味を感じる。
味は濃厚というと平凡ないいかただけど、人が決して作り出せない味だ。
舌に触れた途端、甘く感じるのは、多種類のアミノ酸がまとめて舌を刺激するためで、しかも後味がおいしい。
この頃、イワガキのよさは、後味がおいしいことだと思い始めているが、いかがあらん。
明らかに宮崎県延岡のイワガキは旬を迎えている。


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