スルメイカとセロリは出合いのもの

今や高級イカなので、スルメイカ料理も高級かも


いきなり横道に逸れるが、2023年は体調不良などなどで、あまり魚介類料理が作れなかった。それでもサムネールを数えると1522も作っている。今年はこのままいくと2000を越えそうである。だからこのコラムは年間料理の2000分の1となる。
さて、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で日本海産スルメイカを買った。定期的に買っているのは㎏単価の変動を知りたいからだ。ついでにいうとスルメイカは多様な料理に使えるので、いくら買っても無駄にならない。
やはり㎏単価は2000円近いんだなと思い2月は逃げた。3月も半ばの月曜日、八王子綜合卸売センター、八百角でセロリの特売を見て、ここ1週間スルメイカを買っていないことに気がついた。
スルメイカとセロリは「出合いのもの」なのだ。急いで舵丸水産にもどってスルメイカの袋を下げて、八百角でセロリのデカイ株をかかえて帰宅した。
神保町の古書店、悠久堂で辻嘉一の懐石本を手にしたのは、まだ学生の時だった。本の背で買っていたときで、そのときボクは古本の相場を知らなかった。しかもその道の専門店で買うのは死に物狂いで探しても見つからないときだけだ、ということなど、もっと知らなかった。
鉛筆書きの値を見て、迷った末に買った記憶があるので、高かったのだろう。辻嘉一の懐石本によく登場した言葉が、「出合いのもの」である。茶懐石の世界の言語ではないかと思っているが、原典が見つけられていない。ちなみに茶懐石・茶会記の書籍は今だにとても手の届かない値をつけている。
「出合いのもの」とは、一緒に料理して「相性のいいもの」という意味だけど、ここに季節感が込められている。自身はないが、セロリの旬は春だったはずだ。八百角の特売にピンときたボクも捨てたものではない。

もっとも単純でもっともおいしいのは、出合いのものだから


最近、朝ご飯、昼ご飯、夜ご飯を撮影や資料を見る合間に摂っており、すべて魚介類料理をおかずにしている。終日、魚介類を食べていると、料理が多様になり、また料理するのが楽しくなってきている。
日本海産のスルメイカは外套長25cmもあって、身に厚みがある。上物だ。
今回は、スルメイカとセロリを炒めるだけで、それ以外の選択肢はない。
別に工夫らしいものはないけど、最近、創味のシャンタンをよく使っている。
塩を控えているわけでもないが、塩気が強いものが苦手になっている。
このシャンタンとカレー粉、ハーブ類を上手に使うとほとんど食塩がいらない。
用意したのは適当に切った、セロリと、スルメイカのげそと頭だけだ。
まずは合わせ調味料(シャンタンとにんにく、酒or紹興酒を合わせたもの)を用意。
スルメイカは食べやすい大きさに切り、熱した油にセロリと同時に投入、油が馴染んできたら、イカは半生でいいので調味料を加え、白コショウを振って出来上がりだ。
これにワカメのスープでも作れば、朝ご飯としては王道ではないかと思う。
たぶん誰が作っても、スルメイカの水洗いから、料理が出来上がるまで、10分とかからないはずだ。
ちなみに合わせ調味料が馴染んだときに水溶き片栗粉を加えると、おかずとして、よりご飯に馴染む。
このスルメイカのうま味と、セロリの渋いような苦いような強い味は、まさに出合いのものだ。
相乗効果的にうまくなり、ご飯の糖質と結婚するとより幸せな味になる。
なんども述べているが、ご飯を食べ過ぎてはあきまへん。


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