2024年、厚岸産マガキの、は今季初食い

北海道厚岸からやってきたマガキで考える

厚岸産マガキ

北海道厚岸のマガキは厚岸湖の非常に細長いタイプと、外海である厚岸湾の普通サイズがあるのだと思っている。この曖昧さを払拭するため厚岸に行ってみたいが、果たせないでいる。
厚岸産は、関東での評価が高いので、いい値段だし、実際にハズレがない。
少し横道に逸れるが、マガキとは?
国内全域に生息しているとされているが、沖縄県の磯を這いずり回った限りではいないのではないかと思っている。
浅い海域の干潟にカキ礁を造って生息していたり、岩礁でもコンクリートでも、ときどき杭なんかにもくっついて暮らしている。
国内で何も考えないで海辺に行くと、ほぼ間違いなく見つけることができる。東京都内など中央区とか品川区なんて、その内、マガキの一大産地になるんじゃないかと思うほどだ。
ただし天然もののマガキをとって食べるのは、その海域の貝毒の発生や海域の汚染度があるので、慎重に。
マガキに地方名がほとんどないのは、奈良時代の木簡や、平安時代の式(弘仁・貞観・延喜式)にもあり、調のひとつだったためだ。
岩から掻き取って、食べるので「かき」と言うらしいがホンマカナ?

北の海のマガキはあっさり軽い味だけど、後味は濃厚である

生ガキ

今回の厚岸湾産は八王子総合卸売センター、福泉でみつけた。
味見の3個というか、殻ガキ好きなので本当は5個、6個とかいきたい気分を抑えての3個と言った方がいい。最近、たいして腹に収まらないのである。
こんなところがフランス人には勝てない。生まれて初めて会ったフランス人が、初めて入った京橋のレストランで、在庫一掃殻(約2ダース)食いをしたのでビックリしていたら、「パリでは普通じゃ」と言われた(もちろん通訳を通じて)。見ているだけでボクなど食欲が失せたことがある。
ボクも2ダース食えるようになりたいが、ダース食いするときのマガキは厚岸産がいい。
厚岸産のマガキは舌にひんやりして、あっさりとした軽い味である。マガキらしい濃厚な味わいは後から追いかけてくる。
広島県産マガキは1個の味の総量が多く、たくさん食べられないがどえらくうまい。対するに厚岸産マガキは1個の味の総量は少ないが、食感がはなはだしくよく、おいしさもほどよいのでいくらでも、トレビアーンに食べられる気がするけど、いかがだろう。
連日のように日本各地の生ガキを食いながら、まるで旅をしているような気分になっている、デブであった。


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