ホウボウはどうやってご飯を食べているのか?

ホウボウはどことなく昆虫に似ている


魚のご飯や、ご飯のとり方は口の形から想像できるのではないかと考えている。魚の口には様々な形がある。歯がない魚もいるし、歯がある魚もいる。
魚は、吸い込む、つつく、かじり取る、丸呑みにするなどいろんな方法でエサ(ご飯)を食べていて、それぞれに最適な口の形に進化しているのだ。
11月26日、まずは眼の前おかれた魚、ホウボウの口を見ていろいろ考えてみたい。

口が下向きなのは砂地など、底にいる生き物を食べているから


ホウボウは胸鰭の下の3つの軟条が昆虫の脚のようになっていて、歩くことができる。この軟条は歩行のためでもあるし、感覚器官でもありエサの存在を探ることができる。
口は前ではなく斜め下に開く、大きく開けるとシャベル状である。上顎の吻(最先端)に櫛状の小さな棘があり、少し反っているのは、たぶんこれで砂などの中にいるご飯を掘り起こすのだと思う。

口は意外に大きいが凶暴な感じはしない


大好きなご飯はエビやカニや、軟体類であるタコ、イカなどのゴカイなどの環形動物や小魚などである。このご飯達はとても弱々しく、さほど強い抵抗はしない上にそんなに硬くないのだろう。
ホウボウにも歯があるが小さいので、嚙んで殺したり、砕くなどのためではなく食べたエサを逃がさないためのものではないかと思う。
胸鰭は翼となり泳いでいるときの体の安定にも使われるが、むしろ日陰を作り、大好きなご飯である甲殻類の小さなシャコやエビやカニ、小さな魚のヒメジなどが後ろに逃げないように、威嚇してとうせんぼしているのだと思う。前に逃げたご飯をすばやくシャベルですくい取る。
こんな形の口の形だからこそホウボウは日々のご飯に困らないのだ。


関連コンテンツ

サイト内検索

その他コンテンツ

ぼうずコンニャク本

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場
すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~
すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。
イラスト図解 寿司ネタ1年生
イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
地域食材大百科〈第5巻〉魚介類、海藻
魚介類、海藻460品目を収録。