秋のミハラハナダイはとてもおいしい!
旬がわかりにくいために評価を下げている

ミハラハナダイ
鹿児島県鹿児島魚市場、恵水産さんからミハラハナダイがきた。
最近、珍しくもない魚をみて極端なリアクションをする人とか、極端な言語を並べる人がいるが、ほとんどはややマイナー程度で、その魚たるや珍しくもなんともないといったものであることが多い。それからすると本種は正真正銘の珍魚と言ってもいいだろう。探してもなかなか手に入らないのだ。
阿部宗明は築地市場に大量入荷したことがあると述べているので、広い海の中のどこかに群れを作っているのかもしれないが、現豊洲市場に移ってからもボク個人は1個体しか見ていない。
記載者である片山正夫はタイプ標本を伊豆大島近海で手に入れているが、相模湾でも、伊豆諸島でもめったに揚がる魚ではない。
余談だが、魚類学者は素晴らしい業績を残しながら、目立たない人が多い。まあ隣の県の蝶マニアの御仁もそうだし、この片山正夫などもそうだ。画期的なことをやり遂げた、益田一など生い立ちからして魚類学界の井原高忠といってもいいのに魚類学の世界以外では、知名度はイマイチだと思う。もちろん京都大学のあの方など偉大すぎて困る。
伊豆大島なので三原山でミハラハナダイというのは標準和名としても、かなりイケテルと思っている。
さて、ミハラハナダイ科のミハラハナダイはかなりハナダイ科に近い姿をしていて、身質もハナダイ科の魚に似ている。旬と外れの差が大きいのだ。
我が家には静岡県沼津魚市場で最初に手に入れたもの(写真的に問題がある)から7個体が来ているが、早春の個体など脂が抜けてまったく味がなかったのだ。