市場でマグロ解体中なら中落ちないか? と聞いてみるべし

中骨回りには上質な赤身がたっぷりくっついている

クロマグロの中落ち

市場のマグロ屋のいいところは日常的にマグロを解体していることだろう。あくまでもボク個人だけの話だが「マグロの解体ショー」など、●●気をもようすほど嫌いである。まあもともとボクはやさぐれ、イベント・祭嫌い、なのでボクだけの話ではある。
秋田県のとある町で街歩きをしたいので古い町並みのあるところを教えてと言ったら、その町の花火大会の話をし始めた観光課の女子がいて、心の中でこのバカ女子を射殺したくなったくらいハレ話は大嫌い。背中を嫌悪感が這い上がって死にそうになったこともある。そんなボクなので解体ショーをやっている人は気にしないで欲しい。
マグロは日常の中で何気なく買うからいいのだ。その点、市場はいい。マグロ屋を冷やかして、いいのがあったら気軽に買って、自宅で普通に食えばいい。食はイベントとはちゃう。
八王子総合卸売協同組合、マル幸で青森県産の本マグロ(クロマグロ)を下ろしていた。ちょうど中骨を片身からちょんちょんと包丁を当てて半身から外していた。
「ちょっとだけおくれ。あのさ、あのさ、退院したばっかりだから退院祝いに安くしてよ」
というと本当に安くしてくれた。ありがとうクマゴロウ!

中落ちの酢洗いはうま味豊かだけど軽い味

クロマグロ中落ちの酢洗い

これを三等分して、そのままを「酢洗い」と、そのままだけど「酢みそ」でと、漬けに、と大活躍してもらう。
体調が変なので「ぬた」で盃いっぱいだけの酒をやり、翌日3分の1は酢洗いで、盃いっぱいだけの酒をやる。
これで夕ご飯兼晩酌になるくらいにヘコんでいるけど、このクロマグロをあっさりと軽い味にして食べるのが、最近やけに好きだ。
しかも酒(気仙沼の「水鳥記」)の真の味は、盃ほどの量がいちばんわかるのかも、なんて気がついた。
それにしても、マグロの中落ち(すきみ、かきだしとも)の酢洗いはウマシ。
酢洗いは日本料理の基本だけど念のために。
中落ちは食べやすい大きさに切る。
振り塩をして少し寝かせ、赤酢(岡山県の河野酢みそ製造工場の粕酢で、もう少しこくがあった方がいいかも)で軽く和える。


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