郷土料理

塩ブリ家庭版を作る

松本で教わった


昔は、日本海側で水揚げされたブリを旧正月(太陽暦の1月後半)用に塩をして、保存性を高めて飛騨や信濃に送っていた。丸のままのブリの鰓や内臓を取り、塩をすり込むようにして馴染ませる。これは写真で見る限り、1960年代くらいまでは塩漬け(塩をすり込む)するのはブリの水揚げ地であったが、徐々に山間部まで鮮魚として送られて、消費地で塩をするようになったのだと思う。

長野県松本市などの松本市公設地方市場、魚屋さんに聞くと、スーパーや魚屋さんで塩をするのだけど、丸のまま塩をすることはなく半身か切り身に塩をするようになっているとのこと。

これを焼いて、年取、三が日の膳にのせ、雑煮にしていた。

家庭で簡単に作れる


北海道羅臼産の脂ののったブリを切り身にする。これにたっぷり振り塩をする。水分が浮き上がって来たら、裏返す。これを一、二度繰り返す。

翌日も振り塩をして少し置く。前日と同じように繰り返す。

密閉できる袋に入れて冷蔵庫に入れて寝かせる。

寝かせると塩が馴染む


初めて造ったときは1週間くらい寝かせたが、まだ塩の馴染みが完全ではなかった。徐々に寝かせる時間を延ばしている。今年は20日間寝かせた。

表面は黄ばんでしまったが、塩の馴染みもよく、単に塩焼きにした以上にうま味がある。ここ数年で作った「塩ブリ」のなかでもいちばんのできだった。

基本形は焼く


食べ方の基本は焼くである。脂がのっているので、内側から脂がにじみ出て、表面が揚げたようになる。

実に香ばしく、うま味豊かである。

松本平(長野県松本市)では年取の魚としては、一にブリ、二にサケだという。


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