3月14日 兵庫県但馬香住のクロノド

きれいな魚体であった


兵庫県日本海但馬、香住漁港で水揚げを見ての帰り、共進丸のアイドル系オッカサンがお土産を持たせてくれた。
前回のことがあるので、白いレジ袋の中身が楽しみでならない。今回はダブルムツだった。
香住でクロノドと呼ばれているムツと、ノドグロ(アカムツ)だ。アカムツが「喉黒」なので、黒い色合いのムツを「黒喉」と呼ぶわけだ。ともに口腔・腹腔膜が黒い。
漁協に預かってもらって持ち帰ってもまだ生かっていた。あまりにもきれいなので形態を撮影してから食べた。
さすがに刺身とはいかないので、塩焼き、フィッシュ&ティップス、あら煮にする。

揚げ物のような香ばしさ


塩焼きにしてびっくりした。非常に脂がのっていたのだ。身から染み出た大量の脂でわきたった表面が官能的なくらいうまい。不思議なものでヒトというのはこの火で焦がされた香りに動物的に反応してしまうのである。新年になって数個体のムツを焼いて食べているが今回のものがいちばんおいしかった。
余談になってしまうが、この時季、あまり大きな個体はダメなのである。今回の体長32cmはどんぴしゃり大当たりのサイズだった。

これを作りたいからムツを買う


本種の大定番、あら煮のうまさは、ムツを食べた人でうまくないという人がいたら、食べていないのだと思う。
煮つけると身(筋肉)がふわりと柔らかく、皮に味がある。
個人的にはこれで酒ではなくご飯が欲しい。煮汁だけで丼飯が食べられる。

最後に残った片身でフィッシュ&ティップス


最後に残った片身で思いついて作ったフィッシュ&ティップスが絶品だった。衣をぱりぱりに揚げたら、中はババロアのようになった。このパリトロ感がすごいのである。
それにしても次回は刺身で食べてみたい。想像するというよりも確実にうまいと思う。
次回の但馬行はいつになるのか? 共進丸のアイドル系オッカサンに会いたいのもあるが、オミヤも楽しみだ。


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