煮ざかなの煮汁でおしぶとなすをたく
地味で茶色なものが好きなんだと思う

新潟県に行ったら、必ず買うのが麩だ。
車麩は必ず買い、ときに新発田麩、そして「おしぶ」なども買う。
今回買ってきたのは「おしぶ」だ。
半分に切るとそのまま汁の実などになり、丸のまま使うときには10分くらい水につけると戻る。
今回は我が家の魚の煮汁ストックで「おしぶ」となすをたく。
いろどりが地味で、茶色で、華のない料理だけど、まあボクの脳みその大方に染みついている、おいしいの色が茶色では、こうなるのが当たり前だ。
スルメイカ、コウイカ、カサゴ類など魚類他種、煮ハマなどの味が凝縮された煮汁で単純にたいただけ。
魚貝類の味で煮染まった「おしぶ」くらいうまいものはない。
このおいしさは豆腐にもなく、野菜にもない。
麩にしかない麩のおいしさで、麩を知らなかった40年くらい前のボクはおいしいをひとつ知らなかったことになる。
これがやけにご飯に合うし、ビールにも合う。
ビタミンが足りない気がするけど、ボクにとっての完全無欠の味である。