超手抜きヤナギダコの酢のもの

深夜、ヤナギダコの小鉢はいい小鉢


沖縄のウミンチュの食事に、ときどき登場するのがミツカンすし酢である。すぐ真似をするボクは、すぐにスーパーに行き、買った。
ちょうど同じ頃、迷子になった画像を大捜索していて面白い画像を発見した。
群馬県中之条町のバアチャンに、コイの話(もちろん恋の話ではない)を聞いたときのものだ。
台所で「酢のものも、すしも全部これじゃ」と見せてもらったのが、1升瓶入りのすし酢(ミツカンではない)だったのだ。そのとき「漬物(作り)にも使うよ」と言われたはず。戦前生まれは、とても合理的なのだ。

ちなみに本来酢のものは保存食で、1週間くらいにわたって食べるものだ。
ボクの故郷である徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)の隣町美馬町の、親戚の家で、何度も酢のものを食べているが、やはり作り置いたものだった。
きゅうりとワカメ、ちりめんじゃこの酢のものが多かったが、ワカメなど茶色に変色していたが、子供のボクがいつもお代わりするくらいのおいしさだった。

ボクは、魚料理にグルメとか通とか、こだわりは無用で邪魔なものだと思っている。こつこつ地道にちゃんと、いちいち加減酢を作ってもいいが、この便利なすし酢などもっと活用すべき、料理は最短を目指せ、なのだ。
ということで、ヤナギダコの酢のものを作るのにミツカンすし酢を使ってみた。

ゆでたてのヤナギダコをミツカンすし酢に漬け込んで、4日後(いつもは翌日)から数日かけて食べた。
仕上げにゆでたワカメと和えるだけだけど、ワカメは秋田県男鹿市船川の漁師、近藤亮さんにいただいたものだ。

いつもはそのときどきに三杯酢を作っているが、ミツカンすし酢で十分かもと、深夜酒用の小鉢にしてみて考えた。
なにしろ3月、4月はやたらにあわただしい。
手抜きは、とてもいいことだ。
さすがに大きな会社が作るもので、ミツカンすし酢の味は万人向けである。
嫌みはなく、ヤナギダコを差し置いて出しゃばることもない。

実にいい小鉢ものとなって、夜酒のいい友となる。
この量で3日間楽しめた。
酒は、いただきものの「剣菱」で体が冷え冷えなので熱燗にする。

タコは買ったら、いきなり冷凍庫に放り込む


八王子綜合卸売センター、福泉に岩手県宮古から生のヤナギダコが来ていた。相変わらず体が柔らかくてとらえどころがない。
これを持ち帰ってざっと洗い、袋に入れて、そのまま冷凍庫に放り込む。

ゆでたてをそのままミツカンすし酢につける


一度冷凍したヤナギダコ(冷凍してゆでる方がやりやすい)の足と足の間の皮膜を切り、ほうじ茶・塩の中で8分ゆでる。
そのままザルに上げて放冷する(冷やす)。
熱い状態で足の先の方を適当に切り、ミツカンすし酢に漬け込む。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。


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