キタノクロダラのマッシュポテト
マッシュポテトを見つめて、ではない

ブランダード
マッシュポテトをみずべで♪ が子供の頃わからなかった。
「マッシュポテト(さん)を見つめて」だと勘違いしていたことがある。
弘田三枝子のヴァケーションは長い間忘れていて、大人になって、訳詞(ほぼ作詞)、漣健児(草野昌一)特集の、企画の下働きの下働きをしたときに初めて、このまったく意味のない言語の羅列を知った。
それではマッシュポテトとはなんだろう? と思って麻布のナショナルストアでそのマッシュポテトを買ったけど、こんなものをアメリカ人は食っているのかとビックリした憶えがある。
さて、ちなみにその頃、住んでいたそばに米軍住宅があり、仲良くなった家族の家でときどき、ご飯を食べていた。そこでゆでたジャガイモと牛乳と大量のバターで作るポテトをおぼえた。
それがマッシュポテトかどうかわからないけど、以後、ずーっと我が家の定番料理である。
タラ類(チゴダラ科、タラ科、ソコダラ科)が手に入ったときなど、このポテトに加えて練り上げている。
これがウルトラ簡単な料理なのである。
よくよく考えてみれば、アメリカ人が手の込んだ料理など作るはずがない。
ブイ・アイ・シー・エイ・シー・ア・オ・エー♪ なんて歌いながらあっと言う間に作れる。
これが端的にうまいのである。
ご飯ではなくパンの友だけど、これでビールもまんざらではない。
口の中でとろける感があって非常にうまい。
材料は鍋に無造作に放り込めばいい

キタノクロダラ(タラ類ならなんでもいい。塩蔵のマダラなんて最適である)は三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取り、皮を引く。切れ端などを集めてもいい。
じゃがいもは皮を剥き、適当に切る。
これを鍋に放り込む。