小イシガキダイの水炊き
イシガキダイ、イシダイの石ものは鍋もいい

一度も乗ったことはないが、まるでゴーカートのように気温が上がり下がりする日々だ。
夜と朝がやけに寒いのである。
本当は塩焼きにしてしまおうと思っていた小イシガキダイの半身を、気温に素直になって鍋にしてつつく。
主に西日本だと思うが、産地でイシガキダイの鍋は日常的な料理である。
特に刺網などの漁師さんは好んで鍋にする。
微かに磯臭みがあるが、高知県室戸市の刺網漁師さんの話では、そこがいいという。
ボクは少し気になるので、食べる直前に振りしょうがをし、ポン酢に一味唐辛子で食べる。
石ものと言われるイシガキダイ、イシダイは非常にうまい出しがでる。
今回はこのだしと具材を一緒くたにして食べる。
寒いときにはこのつゆの温かみが身に染みるからだ。
あらなどは口に入れてしゃぶっては骨をぺっと出す。
鍋に行儀作法は無用である。
目の周り、骨周りなどしゃぶるほどに味がじわりと浮かんでは消える。
白菜、ねぎに舞茸、豆腐など冷蔵庫にある限りのものが胃袋に納まっていく。
これ、冷蔵庫の掃除でもあるし、ボクの消化器官の掃除でもある。
鍋はいつ食べても医者いらずだ。
それにしても1コイン以下のイシガキダイの、あらと半身で二人前の鍋まで食べられるとは、こいつぁー春から縁起がいい。
税込み1コイン以下なのにいろいろ使えるイシガキダイ

八王子総合卸売センター、福泉に、たぶん宮城県産だろう入合(1箱にいろんな種類の魚が入っている)が来ていた。ここから数尾選んで買ってきた。
入合はお買い得である。見るだけでもこんなにわくわくして楽しいのに、なぜ安いんだろうという疑問が浮かんでくるほどだ。
シガキダイ22cm・418gで、鮮度がいいのに値段は1コイン以下である。
焼き切りにして、残りは水炊きにする。
あらも胃袋も肝もすべて投入した鍋で、昆布だしだけで煮ながら食べる、典型的な水炊き、ちり鍋である。
あらや三枚に下ろした片身は食べやすい大きさに切る。湯通しして冷水に落としぬめりや鱗をこそげ落とす。
水分をていねいにきり、昆布だし・酒・塩の中で煮ながら食べる。
野菜などお好みでいい。