相模湾でタカサゴを発見、そしてタカサゴの味も発見

小型ながら実にどっしりとした味がする


味で考えると、相模湾のタカサゴと、沖縄の「ぐるくん(タカサゴ)」とが同種とはとても思えない。これは熱帯域でのヨコシマサワラと、石川県産ヨコシマサワラとの違いに似ている。
鮮度がいいと熱帯の方が透明感があり、きれいだ。
ただし味は透明感がなく曇っている相模湾の方が格段にいい。
脂は皮の直下に層を作り、身にも混ざり込んでいる。
驚いたことに撮影していると、刺身の表面が室温でにじんでくる。

口に入れるとほどよい食感が感じられ、舌の上に脂のざらっとしたものが残る。
このざらっとしたものが脂である。
一瞬、脂ののったイサキに似ていると思ったが、より濃厚な味だ。
非常に味わい深く、舌の上で味が長続きする。
わさび醤油よりも酢みその方が合うかも知れない。
見た目はともかく味からすると、相模湾に新しいスターが誕生した、そんな気がする。
このタカサゴをテーマとして、また小田原に行かねばならぬ。

タカサゴ、ニセタカサゴを選別台の上で探す


2024年10月4日の神奈川県小田原市、小田原魚市場、二宮定置は大漁だった。みなが忙しく右往左往しているところで、ボクはあいかわらず単なるお邪魔デブそのものだった。
以上は何回か書いた。
今回のテーマはタカサゴ科クマササハナムロ属のタカサゴ(沖縄ではグルクン)とニセタカサゴを手に入れることだ。
ニセタカサゴは過去に何度も手に入れている。問題はタカサゴである。
二宮定置の山崎さんに言わせると今現在、「両方混ざるがタカサゴの方が多く、タカサゴの方が脂が乗っている」という。
前日はタカサゴとニセタカサゴがまとまって揚がったと言うが、この日は少なかった。
定置のみなさんも手伝っていただき、そこそこ両種が集まる。
並べて同定してみると意外にもタカサゴ6に対してニセタカサゴ4であった。
小田原では以前、なんども両種を探しているが、ニセタカサゴばかりだったので、この比率は今年だけのことなのか、昔から秋にはタカサゴが多いのか、がわからないのが残念である。

ずんぐりしたのは1固体だけだった


ほとんどが15cm・60g前後で、1固体だけ18cm・115gが混ざっていた。
少しだけ大きいずんぐりしたものを刺身にしてみる。
沖縄県の「ぐるくん(タカサゴ)」とは三枚下ろしにするときからして違っている。包丁が重いのだ。
腹骨・血合い骨を取り、皮を引き、刺身にする。
二宮定置のみなさん、ありがとうございました。


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