秋にハズレなしのヤマトカマスの刺身
これが水がます、ってだれひとりわからないと思う

10月の「水がます(ヤマトカマス)」にハズレなし。
うまくて当たり前だと思いながら食べても、ちょっと脳みそが痺れる。
皮下に脂の層ができるのではなく、身に小さな粒子となって脂が混在している。
だから程よい食感と口溶け感が一緒に楽しめる。
キロ万超えの魚も裸足で逃げる、痺れるくらいのおいしさだ。
だから小田原行きは止められない。
これほどの美味を開いて干ものにしても、それはそれでおいしいけど、まず刺身だよなと思う。
このおいしさを知らないと、ちょっとだけ損な気がする。
問題はよほどの温度管理でもしないと、翌日昼までの味ってことだけだろう。
ある意味、産地に近づかないと食べられない味でもある。
刺身にするのが難しくなったら、あぶってみる

水揚げ後、翌日、夜には食感が落ちて、刺身にすると平凡な味になる。
なので、皮をあぶって切りつける。
8月の固体など新鮮でもあぶって方がうまい。
皮と皮下の脂が口に含むとふたたび液体になる。
この固体と液体がともにあると不思議な食感がする。
焼き魚にしておいしい魚なのであぶった皮自体もおいしい。
小田原に住みたい気持ちが一瞬きらめく。
青と言うよりも灰色の魚体なので見た目は地味すぎ

2024年10月4日の神奈川県小田原市、小田原魚市場、二宮定置は大漁だった。みなが忙しく右往左往しているところで、ボクはあいかわらず単なるお邪魔デブそのものだった。
以上は何回か書いた。
今回は江ノ浦沖、江の安定置でも、二宮定置でも「水かます(ヤマトカマス)」がたっぷり揚がっていた。
6月には体長20cm前後だったのが、今や大きいものは30cmもある。
「水がます」は明らかに旬を迎えている。
残念なことに「ねいら(アカカマス)」と比べると格段に安い。
鮮度落ちが早いためだが、水揚げ港のそばならこの高鮮度の「水がます」が食べられるのだ。
この時季は刺身で食べてこそ、である。
二宮定置にたっぷり分けていただいたので、2日間にわたって刺身、刺身、刺身だった。
朝昼晩と食べても飽きが来ない。
刺身は、水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮を引いて刺身状に切る。
あぶりは同じように三枚に下ろし,腹骨・血合い骨を取る。
皮をあぶって氷水に取る。
そーっと水分を紙に吸収させて冷蔵庫で皮を落ち着かせる。
皮周辺がしっかりしたら刺身状に切る。
二宮定置のみなさん、ありがとうございました。