コラム

9月20日は、小田原魚市場そば、港のおっかさんのところで市場人飯

真夜中に始まり、朝を迎える頃、市場は静かになる


神奈川県小田原には午前2時に起きて、3時には家を出ている。
それから小田原魚市場での競りが終わる、7時過ぎまでずーっと回転している独楽のようでもあるし、水産生物の中を泳ぐ怪しい生き物のようでもある。
見るもの総てを同定して、それがそこにある意味を考える。
今回は亜熱帯・熱帯系の魚がほどんどいなかったのはなぜだろう?
サクラエビが浅場に上がってきたこととの関連は?
なんて帰宅しても考え続けている。

分類の話であったり、相模湾の季節ごとの魚の話であったり


二宮定置の山崎さんや、米神の草野くん、今回たまたまいた魚類学者の和田英敏くん、Kai’s Kitchenのカイくん、などと魚談義をする。
和田くんには手に入れた魚の相談に乗ってもらったりで、たまたまだったけど感謝、感謝しておりまする。
ときどきベテランの買受人に現在の相場観を聞いて回るので、ほぼ息つく暇がない。ここ5年ほどで市場の相場がものすごく変わったことなど、買受人に聞くのがいちばん手っ取り早い。
7時になると、ボクのエネルギーがきれる。

市場人のための市場飯は魚抜きが普通


ということで、おっかさんのところで市場人のための市場飯を食う。
ちなみに、市場人はさぞかし「朝からうまい魚を食っているに違いない」というのは誤解である。
例えば東京の、築地の頃からそうだが、市場で魚を食うのはよそ者、市場人は魚を食わないのが当たり前なのだ。
ボクは朝から魚でも大歓迎なのだけど、おっかさんの作った普通の市場人飯だってたまらなく好きだ。
今回、見た目は地味なしょうが焼きだったが、そんじょそこらのしょうが焼きとはわけがちがう。
毎度思う事だけど、味つけ絶妙、ご飯もうまいし、汁もうまい。
さて、帰って水産生物を撮影するぞ、という気力が沸いてくる、くる。


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