クロミル

Scientific Name / Codium subtubulosum Okamura 1902

クロミルの形態写真

20〜30cm前後になるが、ときに1m以上になることがある。体はビロード上でやや平たい。2叉するが枝分かれする起部は三角形である。
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20〜30cm前後になるが、ときに1m以上になることがある。体はビロード上でやや平たい。2叉するが枝分かれする起部は三角形である。20〜30cm前後になるが、ときに1m以上になることがある。体はビロード上でやや平たい。2叉するが枝分かれする起部は三角形である。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度


      食用として認知されていない
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    植物界緑藻植物門緑藻綱ハネモ目ミル科ミル属

    外国名

    学名

    Codium subtubulosum Okamura 1902

    漢字・学名由来

    漢字 黒海松 Standard Japanese name / Kuromiru
    由来・語源 ミルの仲間で黒いの意味「みる」の音の意味は不明。「海松」は姿が松の文様に似ているから。
    Okamurao
    岡村収(おかむら おさむ Osamu Okamura 1933-2008 高知県高岡郡別府村〈現仁淀川町〉)。京都大学で松原喜代松下でソコダラ類を研究。高知大学教授。ハナグロフサアンコウなどを記載。

    地方名・市場名

    生息域

    海水生。低潮線ふきん〜漸深帯。岩や貝殻の上。
    太平洋中部〜南部、八丈島、小笠原、瀬戸内海沿岸、九州。朝鮮半島。

    生態

    基本情報

    奈良時代から食べられ、文献にもある「海松」は何種類かのミル科ミル属の海藻のことである。
    その「海松(うみまつ、みる)」のひとつだと思われる。
    万葉集にもあるので、律令制の「調(各地の特産物)」として都に送られていたのだろう。
    古代以来重要な海藻であったはずだが、現在食用としている地域はほとんど皆無である。今現在は三重県志摩地方で食用として採取、流通もしている。
    本草学の世界では虫刺されや、消化不良、嘔吐感、下血などに効果があるとされている。
    珍しさ度 流通しないので自分で採取するしかない。同定など困難なことが多い。

    水産基本情報

    市場での評価/流通しない。
    漁法/採取
    産地/三重県

    選び方

    採取して時間が経つと黒みがでて水分が滲み出してくる。

    味わい

    旬は夏ではないか?
    古くは乾物があったと思われるが、現在で国内では生しかないと思われる。
    長時間ゆでることで食べられるようになる。

    クロミル(ミル)の下ごしらえ 流水などで洗ってゆでる。単純にゆでるとスポンジを食べている感じがする。それを重曹を加えた湯で20〜30分ゆでる。冷水に放ち少し置いて水分を切る。
    写真は火を通す前が左。
    通した後が右。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    クロミルの料理・レシピ・食べ方/ゆでる

    クロミルの酢みそ和え(ミルの酢みそ和え) 青い草などと同じような風味がする。平安時代の貴族などはこの爽やかな風味を愛したのかも。
    下ごしらえをしたものをそのまま食べるのが基本。重曹でゆでて茹で上がったら、冷水にさらす。水分をよくきり酢みそで食べる。

    クロミルの酢のもの(ミルの酢のもの) 酢のものは酢や他の素材との馴染みが悪い。面白い味わいであるが、酢のものとしての味わいに欠ける。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/奥田直大さん(三重県南伊勢町)
    『標準原色図鑑 海藻』(千原光雄 保育社)、『海藻の食文化』(今田節子 成山堂)、『生きもの好きの語る自然誌』(鈴木雅大 鹿児島大学 大学院連合農学研究科 水産資源科学 助教)
  • 主食材として「クロミル」を使用したレシピ一覧

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