テンジクガレイ

Scientific Name / Pseudorhombus arsius (Hamilton, 1822)

テンジクガレイの形態写真

体長30㎝前後になる。外見はガンゾウビラメ、タマガンゾウビラメに似ている。この三種の見分け方は背面にある斑紋を見る。 テンジクガレイ/測線上にふたつの斑紋。また背面に無数の虫食い斑紋が見られる。 タマガンゾウビラメ/側線を挟んで5つの斑紋がやや規則正しく並ぶ。 ガンゾウビラメ/測線上に斑紋がひとつだけ。背ビレ全部がひも状に延びる

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カレイ目カレイ亜目ヒラメ科ガンゾウビラメ属

    外国名

    学名

    Pseudorhombus arsius (Hamilton, 1822)

    漢字・学名由来

    漢字 天竺鰈
    由来・語源 ヒラメを「大口カレイ」というように、古くは左に目があってもカレイであった。そのカレイ(ヒラメ)類のなかでも天竺に近い(南方)場所にいる魚を意味する。

    地方名・市場名

    スサ
    場所沖縄県伊良部島 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    カタヒラウオ
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    ヒラメ
    場所鹿児島県種子島、沖縄県知念 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 

    生息域

    海水魚。水深30mよりも浅場。
    神奈川県三崎、小田原など相模湾、駿河湾、紀伊水道、土佐湾、愛媛県室手、鹿児島県指宿市・佐多・船間、[山口県萩]、長崎県、琉球列島。
    台湾南部、福建省・広東省、海南島、インド-西太平洋、カロリン諸島、ギルバート諸島。

    生態

    基本情報

    主に熱帯・亜熱帯域の浅場にいる。ある程度とれるのは九州や沖縄。
    比較的大きくなるので、食用としてときに見かけることがある。
    沖縄ではカレイ亜目はおしなべてヒラトンマーとなるが、本種もそのひとつ。

    水産基本情報

    選び方

    味わい

    旬は不明。
    鱗がやや硬く取りにくい。皮も硬い。
    白身でまったくクセがないもののやや味わいに欠ける。熱を通しても強く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    テンジクガレイの料理法/生食(刺身)、ソテー(バター焼き、ムニエル)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き)

    テンジクガレイのバター焼き 水洗いして頭部と尾部を落として塩コショウする。これを多めの油でじっくりソテー。皮目がこんがりと上がったらマーガリン(バターでも)で風味づけする。クセのない上質の白身にマーガリンの風味がプラスだれてとてもおいしい。


    ヒラメの煮つけテンジクガレイの煮つけ 亜熱帯の魚だが煮ても柔らかく、皮目に独特の風味がある。少し上品すぎる味わいなのでしょうゆでこってりと煮てみた。身離れがよく、甘みがあってとても味わい深い。ご飯に合う。
    ヒラトンマーの塩焼きテンジクガレイの塩焼き 皮目に独特の風味があって、しかもクセのない上品な味わい。これを単純に塩焼きにしてみた。あっさりとしたなかに甘味があり、皮目の風味がいい。身離れのよさも好ましい気がする。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/ねこや商店(鹿児島県鹿児島)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)
  • 主食材として「テンジクガレイ」を使用したレシピ一覧

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